人生は野菜スープ~usamimi hawkrose diary

元雑誌フリーライター。勝手気儘に音楽、映画、現代詩、自炊などについて書いています。

Side Effects(副作用)

ぼくの場合、最大の副作用は主に平衡感覚の不調で現れる。片足立ちなどとてもできないから靴下やズボンの着脱も椅子にかけないとできない。小学生が通学路にしている程度の坂道で転んで手や尻餅をつく。僅かな段差に蹴つまずく。中年どころかもう初老なのを意識する。常用している服薬の副作用とはわかっているし、必ずしも副作用が常態化しているわけではない。体調によりけりだ。

ただし体調には不調を感じないのに明らかに副作用が生じている、とわかる時があり、昨日の朝と今朝がそうだった。四肢に力が入らず手指も力がなく、立ち上がるのも手を床につき、歩くとふらついてしまう。
とりあえず朝の服薬してトイレを済ませ、このめまいに似た症状(意識自体は混迷感はない。身体的な脱力感が大きい)が治まるまで仰向けに寝て待つ。どのくらい力が入らないかというと、ブログや動画でも眺めようと携帯電話を開いてもキーが押せないくらいで、電話すらかけるのに往生するだろう。住所録から呼び出すにも十字キーの操作はさらに困難だ。

現在の処方はもう四年来続いているが、それはぼくの診断名がピンポイントに特定されたからで、それまでは何度も処方の変遷があった。病状も悪化と小康状態を繰り返していたから、あながち処方の副作用とは言えないだろう。
自転車で派手に横転して以来は、自転車の運転は諦めた。そしたら、いつの間にか不動産屋に処分されてしまった。かつては幼い娘を前後に乗せてカウボーイのように走らせた思い出のある自転車だった。実に老残を感じさせられた。こうしたことの積み重ねで、本当に老いていくんだな、と半ばしめやかな気分にもなった。

体調が優れず副作用も強い時は、眠気も実にひどい。一日起きていられない。これも娘たちが幼かった頃を思い出した。幼児というのはお昼寝なしにはフラフラになってしまうものだ。これは高齢者でも同じで、歳を取ると子供に還るとはよく言ったものだ。
昼寝をしなければ夕食まで持たない。灯りやテレビ、携帯サイトを点けっぱなしのまま眠ってしまう。全体的な生活リズムは崩さないまでも、一日の中では規則性は崩れている。これが常態化すると副作用では済まされず、そうした生活リズムが固定してしまう。そうでなくても半日以上の活動は持たないのが現状なのだから、副作用で済むうちはまだいい。