人生は野菜スープ~usamimi hawkrose diary

元雑誌フリーライター。勝手気儘に音楽、映画、現代詩、自炊などについて書いています。

(補16a)オーネット・コールマン

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Ornette Coleman(1930-,alto sax,trumpet,violin)。
この「モダン・ジャズの巨人」シリーズは、補足編に入って最初の25人から全作品紹介、名声確立期までの全作品紹介などの再紹介も交えてきた。
そこで今回は素頓狂な人で行く。セシル・テイラーと並ぶフリー・ジャズの開祖オーネット・コールマン。この人はデビュー当時、「チャーリー・パーカー以来の音楽的革新者」(ジョン・ルイス/MJQ)とまで言うべき本物か、イカサマかジャズ史上でも稀に見る論議を呼んだが、今や日本の皇室から記念文化賞を贈られ、2007年にはデビュー50周年を記念してグラミー賞の生涯功労者賞とピュリッツァー賞の最優秀音楽家賞を同時受賞した。これは反権威的なセシル・テイラーでは考えられない。また、オーネットと同年生れの巨匠、ソニー・ロリンズよりも高い芸術性を認知されたとすら言える。

テキサス出身のオーネットはテキサス時代はR&Bバンドで働き、ジャズマンになるためにロサンゼルスに上京した。ソニー・クリスエリック・ドルフィーと知りあい、ジャムセッション荒しをしながらオリジナル曲を書き貯め、人づてで西海岸のブルーノートと言うべきコンテンポラリー社からデビューが決定する。

Something Else!!!!(画像1)58.2.10,22&3.24
-オーネットは3月19日生れだから、28歳と同時に第1作を完成したわけだ。
だがスタジオ盤よりライヴでははるかに奔放で生き生きしていたのが、
Complete Live At The Hillcrest Club(画像2)58.10
-からわかる。これは前述の07年のW受賞記念に、かつて弱小レーベルのアメリカ30から'The Faburous Paul Bley Quintet'(画像4)と'Coleman Classics'の2枚に分かれて出ていたものを一枚にしたCDだが、M5とM7のタイトルが入れ違っている。

第2作、
Tomorrow Is The Question!(画像3)59.1.16,2.23,3.9&10
-を制作する頃には、既にジョン・ルイスによって、MJQも所属の大手ワーナー傘下アトランティックへの移籍と、バンドごとニューヨーク進出が進められていた。今回紹介作の解説は次回に譲る。