人生は野菜スープ~usamimi hawkrose diary

元雑誌フリーライター。勝手気儘に音楽、映画、現代詩、自炊などについて書いています。

「ネタバレ」批判への回答

まず前提から言えばドキュメンタリー作品にも娯楽作品にも隔てはありません。また、興味の焦点や単純に「面白かった所」を上げるのすら「ネタバレ」であればあらゆる評判記はネタバレということになるでしょう。ご指摘の箇所ならコメディアンやミュージシャンの得意芸を紹介するような次元であり、決して推理小説のトリックや犯人をばらすようなものではありません。それだけのことで楽しみが半減するとおっしゃるのなら、鑑賞者がそこに求めているのはそれだけにすぎません。その意味ではお詫びいたします。つまりサービス業者と見倣されてご不興を持たれたのであればサービス業としては失格をお詫びします。

ですが筆者は「ブロガー」という特殊な抽象的存在ではなく、一人の人間が作文を公開している場所がブログだというだけです。そこで自分が楽しんだ書物なり音楽なり映像作品なりについてどこをどう楽しんだか述べることを「ネタバレ」とされ、「楽しみが半減」と非難されても、それはこちらの落度として責任を負わなければならないことでしょうか?だとしたらこちらでこれまでに公表してきたすべての作文がそれに該当することで、いっそ「今後は一切ブログを書くな」とはっきりおっしゃってくださった方が論旨は明解になります。いただいた非難は煎じつめればそういうことになります。

もしそのような意図ではなく、たまたま目についた箇所のみを拾い上げて抗議されたのだ(と思わるますが)としても、読む人が異なれば目につく箇所も当然異なるでしょう。短編小説「水晶」で雪山で遭難した幼い兄妹はクリスマスの朝無事救出された。これもネタバレです。ドキュメンタリー「忘れられた皇軍」の韓国籍傷痍軍人は生前ついに恩給を支給されず遺族会の訴えも棄却された。これもネタバレです。アニメーション「魔法少女まどか☆マギカ」は典型的な魔法少女アニメの設定と見せかけた導入部がトリックになっている。完全にネタバレです。自分が抗議したのはそれとは違う、とおっしゃるならそれは趣味嗜好による着眼点の違いであり、こういうところが面白かった、胸に迫った、感銘を受けたというのを「それはネタバレで楽しみが半減した」と非難されるのなら、たとえば俳句や短歌、詩の引用紹介などはどうでしょうか?読みたかった作品を全文紹介されて楽しみが半減した、という抗議をお待ちします。