人生は野菜スープ~usamimi hawkrose diary

元雑誌フリーライター。勝手気儘に音楽、映画、現代詩、自炊などについて書いています。

アル中病棟入院記109

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・3月30日(火)曇りのち晴れ
「帰りはMtさんでもひとりで戻れるので、ソバージュ女性はバス待ち、こちらも昼食まで間があり、二人ともまず玄関先の喫煙所、それから待合室で並んで腰をおろす。おたがい主治医が同じDm先生なので、いい先生ですよね優しくて、話をよく聞いてくれて。彼女は断酒三か月をようやく達成するところだが、しばらく前まで杖をついていたんです、やっと杖なしで歩けるようになりました(肝硬変のKdさんも歩けなくなっていたと言っていた)。よく頑張りましたね。また来週会いましょうね。ええ。あまり多く話さなかったが、自然におたがいを励ましあう雰囲気になっていた。来週また会いましょう、とは来週まで彼女はお酒を飲まない、という誓いにもなるからだ」

「昼食を済ませ、昨晩Smくんにこれ読んでください、と渡された福本伸行『天・天知通りの快男子』16巻~18巻(竹書房近代麻雀コミックス、16巻00年・17巻01年・18巻02年)、昨晩と今朝にかけて16巻を読み驚嘆し、朝食の席でおどろいたよ、尊厳死と自殺幇助の話かい、まだ16巻しか読んでいないけどさっぱり先が読めない。佐伯さんでも先が読めないかあ、とSmくんはしてやったりという顔をしていたが―続きも読みたいが、日記も休み時間ごとに書かなければ追いつかないし、今日はMさんが灰皿掃除当番だがまだ足の具合から無理、明日はKくんが当番なので結局今日明日の灰皿掃除はKくんと一緒にやることになる。こういう場合(相手次第だが)積極的かつ自発的なのは彼の良い面だが、だから佐伯くん手伝って、というのも彼の中では込みになっている。別に断ってもいいのだが、人間関係というよりも断る理由がない時は引き受けてしまうのは、FさんからMtさんのつき添いを頼まれた件と同様になる。昼食後、全員が食後の一服を済ませた一巡を見計らい二人でさっさと灰皿掃除を済ます」

「14時からはアルコール科のプログラムがあり必修。今日は学習ではなくリハビリのOT(作業療法)プログラムで、早い話が体育だ。一応名称は『リクリエーション』ということになっている。第一病棟A・Bの建物は第二病棟・第三病棟とは別館で、そこの半地下室に視聴覚室と体育館があり、これまで入院してきた二軒の精神病院にもこれほどではなかったというくらい立派な施設になっている」
(続く)