人生は野菜スープ~usamimi hawkrose diary

元雑誌フリーライター。勝手気儘に音楽、映画、現代詩、自炊などについて書いています。

新編☆戦場のミッフィーちゃんと仲間たち(45)

 偽ムーミンの一行がすれ違うと、ポルナレフは今何かヤバい気配を感じなかったか?と仲間を振り返りました。うむ、とジョースターさん。ええ、でも特殊な戦意は感じませんでした、と花京院が応えると、アヴドゥルもうなずいて、何か自然現象のようなものかもしれないな、と言いました、イギーの様子を見るがいい。イギーも何かに気づいた様子でしたが、特に身構えたそぶりは見せません。それもまあ順当な話で、偽ムーミンたちとジョータローたちはおたがいに不可視の、異なる次元の存在だからでした。ジョータローたちほどのスタンド使いだからこそ多少の気配を感じとったものの、まったく干渉不可能ならば危険性があろうはずはありません。そんなことよりわれわれには使命がある、とジョースターさんは帽子をグッと押さえました。そうだ、こうしているところじゃあないじゃあねえか、とポルナレフ。やれやれだぜ、とジョータローは言いました。
 偽ムーミン一行、とはいえ率先しているのは大人たちでしたが、とにかくムーミン谷の田舎者たちは休戦地とはいえ戦場などを訪れたのは初めてでしたから、興奮を抑えながらも浮き足立っていました。テレビで観るほど派手じゃないんだね、とムーミンパパが無難な感想を口にすると、そうでもないぞ、あれを見たまえ、とヘムレンさんやジャコウネズミ博士、ヘムル署長らが破壊と殺戮の痕跡に気を惹き、スナフキンはため息をつき、スノークムーミンパパはのぼせあがり、女性たちは子どもたちからその景色を隠しました。社会勉強にしてもこんなに生々しい現場は刺激が強すぎます。
 チェブラーシカは荷台を曳いたわにのゲーナと、今日も国際手配中のシャパクリャクおばあさんに頼まれたやみ酒を仕入れにやって来ました。ずっとミッフィーのお店で買ってきたけれど、初めてハローキティのお店で仕入れてみようか、と試すつもりで来たのです。ミッフィーのお店では3倍に水で割ったお酒を3倍の値段でつかまされていましたが、キティのお店ができる前からの取引先だったのでやみ酒の売り買いとはそういうものだ、とシャパクリャクおばあさんからも文句は言われませんでした。でも考えてみれば、ハローキティのお店で持ち帰り酒が売ってもらえるならミッフィーのお店より悪い、ということはなさそうで、もし駄目でも今まで通りミッフィーのお店で買えばいいだけのことです。こうしてチェブラーシカは何も知らずに