人生は野菜スープ~usamimi hawkrose diary

元雑誌フリーライター。勝手気儘に音楽、映画、現代詩、自炊などについて書いています。

みなし児たちのクリスマス

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 ……というタイトルは、当然ランボー15歳の、現存する詩では最初期(つまりランボー全詩集では必ず巻頭)の作品とされる「みなし児たちのお年玉」(推定1869年末作)のもじりでございます。もちろんみなし児にお年玉などくれる人はいない。みなし児の夢の中にしかない。しかもランボーの詩ではこのみなし児たちは捨て子ということになっている、という念の入りようだったりして、早熟文学少年の中二病は150年前も現代も大差ない。もっともランボーが書いたようなこととは違うが、みなし児というのは児童ばかりではなく、老境までにはたいがいの人がみなし児になる。時間とは川の流れによく例えられるが、それならば死は滝のようなもので、早かれ遅かれ誰もが流れの果てにさしかかり、滝壺に呑まれていく。それが自分より先に親近者の身の上に起これば、遅れた自分はみなし児になるだろう。
 それはさておき、こういうものをクリスマスイヴにいただいた。ご覧の通りクリスマスケーキ、ただしこれはショートケーキだから最初から1人向けのケーキになる。クリスマスツリーの植木鉢っぽいものはチョコレートケーキの中心に洋酒を染みこませたスポンジが入っていた。つまりこのクリスマスツリーはアルコールを養分にして育った樹なのだろう。元アルコール依存症容疑者にはちょっといかした趣向でもある。くださった方にも今年の看護への感謝の菓子折りを用意してあったので、年内最後の訪問看護往診はプレゼントの交換会みたいになったが、これもリハビリの一環ではある。

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 小池さんが提げてきたのがこういうものだったので、まさかな、と思ったらその「まさか」だったのには恐縮した。小池さん(男性、訪問看護士)はこのブログを読んでくださっているので、「載せますよ?」と脅迫しておいたが早いとこ冷蔵庫に入れるよう促されたので、こうして実名で登場していただく。これを恩を何とかで返すというのだろうか?だが所詮人生すべてはネタなので、「小池さん」が実在の人物かはこの作文では二の次にすぎない。

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 しかしまあ、見れば見るほど可愛らしいじゃありませんか。掲載した写真はこれだけだが、1時間近くかけて100カットくらい撮影しましたよ。その中からベストショットかな、と思えるものをこうして載せることにし、優柔不断になりそうなので他のは削除しましたが、載せたカットだって目の前の実物には適わない。さすがにフォークを入れて食べかけ状態の写真までは撮らなかったが。それって悪趣味で、いわば人体解剖みたいなもの、そういう趣味の人もいるかもしれないが。

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 そういえばこういうのもあった。11月下旬に横浜駅を通る用事があった時に地下通路で見かけたものだが、これは説明いりませんね?横浜にはアンパンマンミュージアムという施設があるのです。横浜以外にもあるらしいが、第1号は横浜らしい。私はアンパンマンとは何の関係もない人間だが、えーと、他にもあちこちの柱にはこんなのもあった。

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 そうかそうか、お前さんはトナカイだったのか、と一体これはギャグとして成立しているのか、それともかわいさを狙っているのか?困惑してしまうような絵面だが、他にも柱を見渡してみて、アンパンマンばいきんまんメロンパンナちゃん、ドキンちゃんの4種類があちこち(柱という柱ほとんど全部)に立ててあるのを確認した。ドキンちゃんはともかくとしてもメロンパンナちゃんの知名度が心配だが、これは何の冗談だ?横浜駅の地下通路なんかアンパンマンとあそびたい幼児がうろうろする場所じゃないだろ。もっともアンパンマン関連はトトロみたいに幼児の子守代わりになるので、幼児を持つ親にアピールしているのは考えるまでもないが、それにしてもここまでするか?と頭を抱えるほどアンパンマン一色の横浜駅地下通路なのだった。そう、アンパンマンの世界では11月からクリスマスは始まっていたのだった。そして本日深夜、横浜駅地下通路は「お正月はアンパンマンとあそぼう!」一色に立て替えられるのかもしれないぞ。