映画日記2017年8月18日・19日/キング・ヴィダー(1894-1982)の'30年代ヒット作(前)
キング・ヴィダー(1894-1982)はジョン・フォードと同年生まれですがキャリアはヴィダーより10歳年長世代の監督たちと同時期になるほど早くから一本立ちし、初監督作はまだアメリカ映画が長編化していなかった1913年(ヴィダー18歳!)まで遡ります。チャップリンのデビューの前年です。初長編が1920年の瑞々しい傑作『涙の船唄』The Jack Knife Manで(チャップリンの初長編『キッド』が1921年)、以来1930年代末までに、
『ビッグ・パレード』The Big Parade (1925)
『ラ・ボエーム』La Boheme (1926)
『群衆』The Crowd (1928)
『ハレルヤ』Hallelujah! (1929)
『ビリー・ザ・キッド』Billy the Kid (1930)
『街の風景』Street Scene (1931)
『チャンプ』The Champ (1931)
『南海の劫火』Bird of Paradise (1932)
『シナラ』Cynara (1932)
『麦秋』Our Daily Bread (1934)
『結婚の夜』The Wedding Night (1935)
『薔薇は何故紅い』So Red the Rose (1935)
『テキサス決死隊』The Texas Rangers (1936)
『ステラ・ダラス』Stella Dallas (1937)
『城砦』The Citadel (1938)
などのヒット作があります。つまり1930年代のヴィダーは新作をことごとくヒットさせた人気監督でした。『ビッグ・パレード』は1930年(トーキー映画開発2年目)の時点でアメリカ映画の歴代興行収入4位、うちトーキー以前では『黙示録の四騎士』(450万ドル)、『ベン・ハー』(400万ドル)に次ぎ、『国民の創生』『幌馬車』と並ぶ350万ドルの興行収入でサイレント映画第3位のヒット作になりました。ただヴィダーの場合はヒット作のピークが1920年代~1930年代にあり(40年代以降も『北西への道』'40、『白昼の決闘』'46、『摩天楼』'49、『東は東』'52、『戦争と平和』'56、『ソロモンとシバの女王』'59などがありますが)、1930年代後半~1960年代初頭にピークがあったジョン・フォードや2歳年下のハワード・ホークスより古い世代、ヘンリー・キングやラオール・ウォルシュら1880年代半ば生まれの監督のような印象があります。ヴィダー作品は簡潔ですっきりした味わいと暖かみがあり、技巧家でありながら技巧よりものびのびとした自由さを感じさせるもので、ただし早熟と晩熟を兼ねたフォードやホークスの老練さと較べるとどこか万年青年みたいな面のある人でした。ベルイマン全作品踏破などと無謀な映画鑑賞を1か月半続けた直後ですので、口直しに今回はヴィダー'30年代のヒット作を数本まとめて観直してみました。
●8月18日(金)
『ビリー・ザ・キッド』Billy the Kid, US TV title The Highwayman Rides (アメリカ/MGM'30)*96min, B/W, Standard
●8月19日(土)
『チャンプ』The Champ (アメリカ/MGM'31)*86min, B/W, Standard
『ビッグ・パレード』The Big Parade (1925)
『ラ・ボエーム』La Boheme (1926)
『群衆』The Crowd (1928)
『ハレルヤ』Hallelujah! (1929)
『ビリー・ザ・キッド』Billy the Kid (1930)
『街の風景』Street Scene (1931)
『チャンプ』The Champ (1931)
『南海の劫火』Bird of Paradise (1932)
『シナラ』Cynara (1932)
『麦秋』Our Daily Bread (1934)
『結婚の夜』The Wedding Night (1935)
『薔薇は何故紅い』So Red the Rose (1935)
『テキサス決死隊』The Texas Rangers (1936)
『ステラ・ダラス』Stella Dallas (1937)
『城砦』The Citadel (1938)
などのヒット作があります。つまり1930年代のヴィダーは新作をことごとくヒットさせた人気監督でした。『ビッグ・パレード』は1930年(トーキー映画開発2年目)の時点でアメリカ映画の歴代興行収入4位、うちトーキー以前では『黙示録の四騎士』(450万ドル)、『ベン・ハー』(400万ドル)に次ぎ、『国民の創生』『幌馬車』と並ぶ350万ドルの興行収入でサイレント映画第3位のヒット作になりました。ただヴィダーの場合はヒット作のピークが1920年代~1930年代にあり(40年代以降も『北西への道』'40、『白昼の決闘』'46、『摩天楼』'49、『東は東』'52、『戦争と平和』'56、『ソロモンとシバの女王』'59などがありますが)、1930年代後半~1960年代初頭にピークがあったジョン・フォードや2歳年下のハワード・ホークスより古い世代、ヘンリー・キングやラオール・ウォルシュら1880年代半ば生まれの監督のような印象があります。ヴィダー作品は簡潔ですっきりした味わいと暖かみがあり、技巧家でありながら技巧よりものびのびとした自由さを感じさせるもので、ただし早熟と晩熟を兼ねたフォードやホークスの老練さと較べるとどこか万年青年みたいな面のある人でした。ベルイマン全作品踏破などと無謀な映画鑑賞を1か月半続けた直後ですので、口直しに今回はヴィダー'30年代のヒット作を数本まとめて観直してみました。
●8月18日(金)
『ビリー・ザ・キッド』Billy the Kid, US TV title The Highwayman Rides (アメリカ/MGM'30)*96min, B/W, Standard

●8月19日(土)
『チャンプ』The Champ (アメリカ/MGM'31)*86min, B/W, Standard
