人生は野菜スープ~usamimi hawkrose diary

元雑誌フリーライター。勝手気儘に音楽、映画、現代詩、自炊などについて書いています。

死と暴力(4・「ウナギの死」)

「死と暴力」第2回で既に谷岡ヤスジ(1942~99)の作風と傑作「馬と股旅」は紹介した。
今回は「ウナギの死」(「ヤスジのアニマルどー」所収)。実はこの傑作には凡作に終った先駆作がある(「ヤスジのドッチラケ節」所収「サンマの死」)。天才の創作の秘密を探るのに、まずは「サンマの死」を見よう。

・皿に載るサンマ/・箸がサンマをつかむ/持上げられるサンマ/・陽炎をたてる七輪/・七輪に置かれるサンマ(ジュー)/・目醒めるサンマ(パチ)/・サンマ「おりッ?」(ジュー)/・サンマ「あんだこら」/・口のアップ、絶叫(アヂアヂアヂ)/・跳ねるサンマ「あにすんだバーロー!!」/・頭に木槌(コン)/・煙を上げるサンマ(ジュー)/・箸がサンマをつかむ/・覆されるサンマ(クルッ/ジュー)/・頭と骨だけのサンマ/・茶碗が置かれる(コト)「フー/んまかった」/・サンマ「ごちそー様は?」ひっくり返る男の足

では「ウナギの死」を。

・魚籠からつかみ出されるウナギ/・まな板に(ポトッ)/・頭に鉄串(トン)ウナギ「あらっ」/・身を割く包丁(シャー)「あらあら」/・身を開かれる(クルッ)「あー」/・骨を剥がされる(ガリリリリリ)「あらあらあらあらあら」/・ごみ箱に骨が(ポイ)/・茫然とウナギ「あら」/・身を等分する包丁(ザキッザキッ)「あらあらあらあらあら」/・ごみ箱に尾が「ポイ」/・首だけのウナギ「あら」/・頭を持上げる鉄串(グイッ)「あら?」/・ごみ箱に頭が(ポイ)「あら」/・ウナギの身に串(グサグサ)/・ごみ箱の縁からウナギ「あら?」/・炭火焼きされる身(ジュー)/・跳びあがる首「あらあらあらあらあらあらあらあらあらら」/・ハケでタレが「ペタペタペタ」/・「あッらー~」/・(ジィュ~)/・あおぐ団扇(パタタタタタ)(ジュージュー)/・「あッらー~」/・アップ「あら?」/・重箱にご飯/・ご飯にのせられる蒲焼/・驚愕「あッらー~」/・キモが椀に(ピクピク)(ポチャ)/・頭に???「あら?」/・ウナ重の膳「ヘイおまッとさん」/・ウナ重を食べる男(モグモグ)(クチャクチャ)/・跳びあがる頭「あらあらあらあらあらあら」/・着地「あッらー~!」/・ヒレで拍手するウナギ(パチパチパチ)「ヤッ/ジッツニあざやかなお手並でした」板前「バーカ」