人生は野菜スープ~usamimi hawkrose diary

元雑誌フリーライター。勝手気儘に音楽、映画、現代詩、自炊などについて書いています。

南正人「THIS TRAIN 」

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このブログで現代詩とならんでもっとも反響が少ない、というか皆無に近いのが音楽部門だが、どちらも理由は想像できる。コメントしようがないからだ。ぼくだっていきなり訳のわからないものを出されたらちょっと手が出ない。海のものとも山のものともつかないとはこういうことだろう。(何か最近はやたらと食べ物に例えるクセがついてしまった)。ぼくの病気は拒食症体質だから夏は食欲減退との戦いなのだ。

話がそれた。今日先に掲載した記事「誰がマンボに'ウッ'をつけた?」は日付変更と共に慌てて書き上げたものだが、また話の途中で制限文字数の壁にぶつかってしまった。筆者としてもたいへん不満でこれでも前半をだいぶ削ったが、いかんせんサゲがまずい。それなら載せないのが武士というものだが、あいにくぼくは武士ではない。

そこで他人の文章を紹介する記事を追加することにした。南正人、今年67歳の現役最長寿ロック・シンガーのひとり。写真は上が71年のデビュー・アルバム「回帰線」、下が75年の「南正人LIVE」。
「回帰線」は日本のロック名盤選には欠かせないアルバムだが南正人の知名度があまりに片寄っているため一般のリスナーは素通りしてしまう。70年代の南正人は5枚のアルバムを出しているが、アルバム1枚ごとにレコード会社移籍という事態からも特異な存在だと知れるだろう。
紹介する文章は「南正人LIVE」の歌詞カードに、歌詞代わりに掲載されたエッセイ。原曲はブルースの口承曲だという。以下、全文を引用する。

「THIS TRAIN」
「●大意:栄光(グローリー)の地というものがあるだろうということは、大体見当がついているんだけれど、じゃ、どうやったらそこへたどりつくことができるか、そういうことを考えていくと話がこみいってきて、怠ける者は途中で吸ったタバコの味が忘れられなくて、もう栄光の地なんざ、どうでもいいずらという気分になってくる。でもそんな素晴らしい極楽浄土がどうせあるんなら、年とったオッカサンぐらいは行って欲しい……行かせてやりたい、としおらしい気持になってきちまうことが、不思議といえば不思議だ。して怠け者はというと賭博師、ペテン師、イカサマ師、etc.と就職口が決っていくのだ。ま、いってみれば聖地巡礼列車とでも訳そうか。」