人生は野菜スープ~usamimi hawkrose diary

元雑誌フリーライター。勝手気儘に音楽、映画、現代詩、自炊などについて書いています。

虫垂炎入院日記(2)

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病気なんていうのはだいたい突然降りかかる不条理として訪れる。事故やケガならはっきり目に見えるから不運な物理現象に感じられるのだが、それを言うなら病気の方こそ蟻の巣の穴から堤防決壊だから原因はたどりやすいはずだ。なのに不条理と感じるのはカタストロフまで本人に病識がなく、あっても内々で否定し、発症の後は長く引きずるからだろう。
というわけで、ぼくも内科医院に受診したのは腹痛を感じてから5日目だった。週末を挟んだのもある。しかしその場で緊急入院が決定するとは思わなかった。甘かった。ぼくはこれで足掛け4年に5回目の入院になる。これまでの入院は躁鬱病の悪化が3回で緊急入院、アルコール依存症の学習入院が1回。自分で内科医院に歩いていける状態で緊急入院になるとは思いもよらなかった。5年前の夏の離婚後のおとり逮捕といい、つくづく自分は拉致監禁される機会に恵まれるなあと4度目の救急車に運ばれた。これまで救急車には乗るたび感嘆してきたのだが(患者への振動が一切ない)、今回は荒っぽかった。メンタル系の患者と盲腸の扱いの違い?まさか。
緊急入口から運びこまれると、前回の入院で精神病棟だった看護師さんがいた。「あらー。今度はどうしちゃったの?」「盲腸です。ははは」

以下はお客さんへの返信。「更新そんなにハイ・ペースかな(笑)。退院したてで自分の思い通りになる時間が嬉しくてさ、お盆をど真ん中に半月の入院生活ってのもかえって気晴らしになったよ。とことん「おれって独身・無縁なんだなあ」と晴れ晴れした。美人さんとは談話室で朝のトースト焼くうちに親しくなってね。髪が腰まで長かった。退院の朝はロールパン、午前はちょうど女性入浴日だったから別れの挨拶はしないできた。病棟内では患者は支給のパジャマなので、パジャマ同士で美人と話すのは変な感じだった。
コメントくれたように「彼女でもできたか?」だったらそれも面白かったが、今回は色っぽい話はナシさ。長い髪の橋本さんはとびきり美貌だったけどね。一緒にパン焼いたりお天気ニュース見ただけ。パジャマ姿で(笑)。
この入院で最大の収穫は心の整理だった。別れた妻子のこともそうだし、春先に別れた女性への気持をまだ引きずっていたのが完全に終らせることができた。福祉・医療関係以外にはどこにも知らせず入院し、退院してきた。そんなものかな」