29日(月)血液の再検査でまた入院していた病院に行ってきた。虫垂炎が治まったあとの炎症反応その他を調べるためだ。電車やバスに乗るのも怖い男がちゃんと電車に乗り、病院のシャトルバスに乗って採血されに行ったのだ。片道だけで十分くたびれた。
受付から呼ばれるまでも30分ちかく待たされたが、採血検査の結果を待って問診ということで今度は小1時間待った。外にタバコを喫いに出たり(病院内には喫煙所は精神科病棟しかない。そこも患者以外は喫煙禁止だ)売店で今週のジャンプを立ち読みしたり(「HUNTER×HUNTER」連載再開!「バクマン!」「銀魂」「Sket Dance」それに「いぬまるだし」に「こち亀」と、自腹で毎週買ってもいいくらいなのだが)やっと呼ばれて体調どうですか?はい、お腹の張りや痛みもなくよく食べてよく眠れます。そうですか、血液検査の結果もいいですよ、ただし、と医師はパソコンの画面を指して、
「尿酸値が高いですね。また再検査して様子を見ましょう」
「尿酸値が高いとどうなるんですか」
「一言で言って、老化が早まります。それと胆嚢も再検査の必要がありますね。次回にエコーを撮りましょう」
帰りのシャトルバスは30分待った。そりゃ中年だから叩けばホコリの出る体だけどさ、せっかく退院したんだから休ませてくれたっていいじゃんよー。おれのプライオリティは精神疾患なんだからさー。
しかし今のところ三大成人病の兆候もなし、おれが出てくる時に受付で、
「あのー、受診したら今日から入院になっちゃったんですけど…」
と40歳前後の女が頼りなげにバッグを前抱えしていた。仕方がないから観念してるけどどうなるのか不安でならない。おずおずとして落ち着かない。
おれは彼女なのだ。
せっかく来たからついでに寄ろうと思っていた古本屋2軒もまだ開いていなかった。退院からまだ1週間なんだな。とにかくおれはヤバくなればあっという間なんだから。8月31日は別れた女の誕生日、9月1日は別れた長女の誕生日。たぶん気にしないで通り抜けられるが、気にしないこと自体が傷になって悲しむ気がする。女々しいったらない。でも西脇順三郎も「真の詩人は両性具有である」と言っている。なんだかそれもうさんくさいのだが。
図版の上は説明不用だろう。下は見辛いが、この病院、蟻の巣のようにいりくんでいる。