人生は野菜スープ~usamimi hawkrose diary

元雑誌フリーライター。勝手気儘に音楽、映画、現代詩、自炊などについて書いています。

夜ごと太る女・油そば編(4)

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これで「油そば編」も4回目になる。いったい今これほどまで真剣に油そばについて考えている人間がぼくの他にいるだろうか→ラーメン屋の人。しかし油そば自体は発祥の時点ですでに完成されたものではないか。作られたと同時に進化をきわめた、と言ってもよい。メニューに「油そば」と載せたからにはお客さんの期待はあの油そばなのであって、豚の背脂(ラード)の代りにサラダ油、刻みネギと支那竹の代りにバジリコとピクルス、チャーシューの代りにローストビーフの「あっさり油そば地中海サラダ風」などは求められていない(と思う)。

創作ラーメンで思い出す店が一軒ある。ぼくの娘の通っていた小学校の向いにある店で、店の外装からも「この店はよそう」と思わせる個性をアピールしていた。月に1度くらい投げ込まれてくるチラシたるや。ネーミングが凝っていてメニューだけではどんなラーメンかわからないのだ。たとえば「創作ラーメン・春のめざめ」とかだ。余白にはわけのわからない人生訓や詩やイラストが書いてあるわ、店主の携帯番号とメールアドレスまで載せてるは、しかも店の屋号は長女の名前と同じだ。幸い今どきの小学生はそんなことで人をからかったりはしないようで安心した。

ここで再び油そばに戻って、レコメを引用したい。
油そばの発祥は新しい方です。97~98年に流行しましたが、83~84年にかけてのつけ麺ほど定着しませんでした。だから今回はほぼ12年ぶりのリバイバルになります。
余談ですが冷やし中華は戦後間もない頃に屋台ラーメンとして発明されました。日本発祥のラーメンとしては古い方です。最古の日本発祥ラーメンはいわゆる「支那そば」ですね。ぼくの記憶だと震災復興期の小説には登場します。点心の普及は焼売→肉まん→餃子→ワンタンの順で、支那事変前後の華僑文化の流入がもたらしたものです。
ジャージャー麺は汁なしで、挽き肉の甘味噌炒めをあんにして細切りきゅうりを載せたものです。挽き肉系でも担々麺はぼくには辛すぎます。冷やし中華と違ってジャージャー麺は季節メニューではないようです。ジャージャー麺油そばと近いですね。
妙な展開になってしまったので、この『油そば編』はあと2、3回続きます。書いているうちに関連ネタが湧いてきて、まるで油そばについて語ることが人生について語ることになってしまいそうです(笑)」