人生は野菜スープ~usamimi hawkrose diary

元雑誌フリーライター。勝手気儘に音楽、映画、現代詩、自炊などについて書いています。

みなし児たちのお年玉

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(連作「伯母からの年賀状」その10)

昨年末の「クリスマス・イヴ日記」でタルトとロースト・チキンと「ビッグ・ヒッツ」(ローリング・ストーンズ)の画像を載せた。料理もデザートも底値で味もヴォリュームも満足なものが買えたし、通販で買った中古CD(実は貴重な廃盤)はジャケット背に破れがあったので連絡したら全額返金、CDは差し上げます、とありがたい話になった。それでぼくはランボーの、

部屋のなかは真っ暗…

-で始まる『みなし児たちのお年玉』を思い出したのだった。だから年の瀬はストーンズの60年代のベスト・アルバム「ビッグ・ヒッツ」「ホット・ロックス」ばかり聴いていた。
初期の曲なんか聴くと、ぼくは家庭があった頃はキッチンではビーチ・ボーイズストーンズをよくかけてつい踊ってしまい、妻や長女に笑われることもよくあった(次女は笑わなかった)。それでまあ、伯母からの年賀状は四日に届いたから三が日は平穏な気分でのんびりしていたのだ。

一転してぼくは、急激ではないがじわじわと躁が鬱を押しのけてぼくを支配しようとする予感に困惑した。数日分の作文を深夜まで深酒しながら書き、そうだ、買うなら女より古本とCDのほうがいい、と各10点ほど前払い注文した。
今のところ、届いたCD1枚がリマスター以前の旧版だったので連絡したら、全額返金、商品は差し上げます、となった。それは昨日書いた。問題は古本に多かった。
まず「野村英夫全集」というのは立原道造の弟分の夭逝詩人だが、函なしだった。函は挿画同様、詩人の恋人だった女性画家が手がけているのだ。函なしの表記なしの出品だったから返品して返金してもらった。別の業者に注文した。面倒だった。

もう一軒は帯なし・巻末解説に線引き。そしたら「現代フランス文学13人集」全4巻(1965・画像2)、全額返金の上返品の用なし。気前いい。嬉しいなあ。
第1巻・カミュソレルス、ジュネ/第2巻・サロート、ロブ=グリエ、イヨネスコ/第3巻・トマ、デ=フォレ、クノー、ベケット/第4巻・ビュトールブランショ、シモン
これはぼくが生まれた翌年に出た本で、ぼくが文学少年になった頃にはこの人たちは現役の巨匠だったからこの4冊も図書館で借りて読んだ。それから30年以上経った。著・訳者もみな物故者になった。内容?前衛です。