人生は野菜スープ~usamimi hawkrose diary

元雑誌フリーライター。勝手気儘に音楽、映画、現代詩、自炊などについて書いています。

通院日記・4月1日(月)晴れ

一般的に言えることだが健常者だって気候には左右される。ぼくみたいなmental diseaseになるとなおさらで、ここ十日間ほどは曇り続きで気分も落ち込み気味だった。特に朝と夕暮れがいけない。本気で地獄を信じたくなる。
動物には心はないというが機嫌不機嫌はあるだろう。ストレスだってあるだろうから、ないのは自意識くらいのものだ。ひとり暮らしで引きこもりの療養生活を送っていると、他人との接触は通院くらいだから自意識など稀薄になる一方で、人間よりも動物に近いような気がする。

昨日はイースターだった。クリスチャン育ちだから思い出はそれなりにある。子供ごころには色つき茹で玉子に尽きる。離婚前は大量に茹でて、この季節はピクニック日和だから娘たちの友だちの家族と大勢誘い合わせて茹で玉子を喜ばれたものだ。長女がカエル沼を覗いていてズルッと沼に落ち、肩まで泥沼にはまった光景は忘れられない。足のつく深さだったのが不幸中の幸いだったが、長女のポカンとした表情に笑いそうになってしまった。笑ったら長女が傷つくのでこらえたが、沼に落ちるのは子供には大事な経験だろう。ぼくなど累計10回は落ちている。10回は無駄に多いとしても一度もないよりはいい(この歳で落ちたいとは思わないが)。

昨日はイースターにもかかわらず曇天の寒い日だったが、今日は久しぶりに朝から上天気で、目覚めのコーヒーもうまかった。今日は内科と精神科。体重は着衣で71kg(1kg減)。いつもの右腕から採血できず、左手の甲から採られる。手の甲は初めてで「痛くないですね」と感心すると、「手の甲は痛がる人が多いですよ」。

精神科でも「手の甲は痛いんだよね」と言われる。確かに手は感覚が敏感なはずだが、運よく痛点を外れたのだろうか。
障害者手帳更新(2年ごと)が迫っている。この2年間は盲腸で2週間入院しただけだった。その前の2年間は24か月で3回、計10か月入院した。入院前の病状悪化期間が各1か月として24か月中13か月が病相期とすると、われながら改めてやばい二年間だったなあ、と思う。

最後の退院からもう満2年過ぎた。病状は安定しているが一切の社会的活動を封じた上での安定だから無能に歳ばかりとっている。父も知らないうちに死なれてしまった。娘たちと再会することもないだろう。そんなことも悲しみとは感じなくなっている。