人生は野菜スープ~usamimi hawkrose diary

元雑誌フリーライター。勝手気儘に音楽、映画、現代詩、自炊などについて書いています。

アル中病棟の思い出17

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・3月8日(月)曇り
「入院後満一週間。(中略)看護婦に、面会室に第三病棟のKさんが来てますよ、と呼ばれる。夕方四時からは第二と第三の看護スタッフが兼任になり患者も行き来ができるのだ。第三病棟の喫煙室に行く。Kくん言うには、Mさんもガックリ来ちゃって。佐伯くんいないと活気がない。いきなり来ていきなり去って、まるで風の又三郎だよ(たぶんMさんから意味を訊いたのだろう)。寝ていたMさんをわざわざ起してくる。Mさん寝起きなのにニコニコしながらやってくる。様子に気づいてSくんもHさんも喫煙室に集まってくる」

「第二の様子を訊かれて、規則が窮屈で誰もが神妙なことを話す。30分ほど喫煙室で雑談して第二に戻る。五時に入浴、六時に夕食。夕食後の服薬は第三のナースステーションなのでまた15分ほど喫煙室で雑談して戻る。第二ではまだ親しい人はいない。第二には図書室があるので九時まで『沈黙の艦隊』第30巻を読み(S病院の入院で29巻まで読んだ)、就寝前の服薬に第三へ。デイルームで夕方のメンバーが海外ドラマを観ていた。羨ましい。Kくんたちと喫煙室で少し話す。今朝までいたのに第二に移ってぽっかり穴が空いたみたいだ、この一週間あんなに楽しかったのに、とまたまた風の又三郎あつかいされる。第二の『謎の美人』の素性の論議持ち越して今日は終り。就寝前にまた別の中年女性、初老男性患者と初めてあいさつ、高校生に間違えられたネタが役に立つ」

・3月9日(火)雪のち雨
「昨夜はまったく眠れず追加眠剤二回。明け方二時間も眠れていない。朝食後の服薬も第三なので雑談の一服。朝会でいきなり自己紹介を振られ適当に済ます。眠りたいが眠れず図書室で『沈黙の艦隊』の続き。昼食後はぐったり寝ついてしまい、掃除の時間に声をかけられたが起きられず、次に気づくと看護婦に夕食食べられるか訊かれる。もう七時近く、全員食事を済ませたデイルームでひとりで食べる。午後の学習プログラムは休ませてもらえたわけだ。何人もに大丈夫?と訊かれ、はい、疲れが溜ってバテてしまったようですと答える。夕食後に第三に服薬に行くと、Mさんは第二の学習には出ているので姿がないのをKくんともども心配してくれていた。あまり長居もできないので煙草一本喫って戻り、図書室で『マンガ明暗』読む。なかなか上出来」