人生は野菜スープ~usamimi hawkrose diary

元雑誌フリーライター。勝手気儘に音楽、映画、現代詩、自炊などについて書いています。

アル中病棟入院記135

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・4月3日(土)晴れ
(前回から続く)
「洗濯をするなら帰宅外泊の人が多い土日が空いているはず、と思うとそうでもなく、帰宅外泊する人は自宅で洗濯するか着替えをあつらえてくるし、帰宅外泊しない人は平日も土日も関係ないから特に土日だからといって空いているわけではない。とりあえず自分が洗濯する用事はないので、洗剤を出してもらったのはKくんに貸すためだったしついでに入院以来初めて携帯電話でも見てみよう、と一緒に出してもらった。着信履歴や留守番電話、メールチェックをしたいのだが病棟内での使用は一階の外来待合室でしか許されていない。行こうとすると待ってくれ佐伯くん、今コインランドリーふさがってるんだ、おれこういう洗剤わからないから入れるのやってくれないか?教えるだけで済ませて断ったっていいのだが、本当に憐れっぽい態度で頼んでくるので断れない。Kくんは案外こういうところで得をしているかもしれない」

「半時間近く待って役目を済ませ、一階ロビーの待合室に降りる。土曜日の外来は予約のみらしくてがらんとしている。携帯電話は当然預けてある間電源は切ってある。メールチェックすると、電話着信が10工房の高橋さんと小野寺さん、メールが桑原くんから一通と内藤牧師から二通。この人たちには入院予定の決定を話してある。他に非通知設定からの電話着信があるが土井先生?それとも佐藤ミヤからの固定電話?土井先生には特に入院予定の報告はしなかった。佐藤ミヤはこの入院が口実になって縁が切れるから、電話攻めにあっていた時に二週間くらいサバを読んで入院、退院予定は未定と話した覚えがある。他にはローソンやアマゾンからのDM類」

「不要なメールや着信履歴を削除して、手っ取り早く高橋さんに電話する。昨日も堀口さんが来て、佐伯さんどうしてるかなって話をしてましたよ。おかげさまで元気です、入院一か月を過ぎて、まだあと二か月ありますが…堀口さんにはメール送りますよ、ソウルの会のみなさんによろしく、ご主人もお元気で」

「Kくんがロビーに降りてきた。何やってんだ?メールの確認と返事書き。小野寺さんは不在、病棟の公衆電話から夜かければいいだろう。桑原くんからは、一時期携帯が止っていたので開通しました、そちらはどうですか、男なら一旗揚げなきゃ!何をどう揚げろというのだ。そこも桑原くんらしい」(続く)