人生は野菜スープ~usamimi hawkrose diary

元雑誌フリーライター。勝手気儘に音楽、映画、現代詩、自炊などについて書いています。

怒り

ぼくの親友、職場の同僚はいきなり社長からひどい罵倒を受けた。それも全員の前で。彼の無能が全体を滞らせ損害を与えている、なぜお前はここにいるんだ?
誰もが黙っていた。ぼくも。彼はきちんと仕事している。ぼくたちも。たまたま彼が言いがかりの標的になったにすぎない。誰からも愛されている彼が。

編集部はほぼ半々に分かれていた。雑誌編集の仕事なんて使い捨てだ。半年も居着かない。ぼくはやっと1年を耐えた。同期の仲間が半数、あと半分はしんどい先輩たちだった。

気の毒な同僚を、同期の仲間と居酒屋で励ました。友人が侮辱されたのだ、この日のことは忘れないぞ、と思った。

会社が大手に吸収されることになって、半数は大手、半数は他の出版社に散ることになった。ぼくは何の未練もなかった。
元同僚たちが「ライターになりなよ」と次々と依頼をくれ、ぼくはフリーライターになった。

これは「出会い」の続篇、あなたに捧げる文。でも「神秘的」なところはないよね?あなたは「はい」という可愛い女だから。でもあなたを満足させはしないだろう。ぼくはあなたのリクエストに十分に応えていない。