人生は野菜スープ~usamimi hawkrose diary

元雑誌フリーライター。勝手気儘に音楽、映画、現代詩、自炊などについて書いています。

#練習用

「スカンクの時間」解説

ご意見ありがとうございます。ぼくもそうしたかったのですが、まず全訳してから冒頭に解説を書くとあれだけで制限文字数に達してしまいました。訳詩の方を抄録するにはあの詩は厄介な構造を持っています。改めて追補しましょう。 アメリカの詩はエミリー・デ…

日記(6月12日・日曜)

(ブログを始めてちょうど1か月。のべ568人の訪問者がありました。1日12人~34人、大体20人前後です。今後ともよろしくお願いします)。 今日は嬉しいことがありました。1年半ぶりに教会の礼拝に行ったのです。本当はドクター・ストップなのですが行ってしまい…

バカ話(4・俳句)

アル中病棟今日の昼食後のお題は「毛」なり(しかも50音順) 「佐伯さん頼みます」とわれは笑点大喜利か 「暑苦し毛」というからには全身毛がボーボー 「愛し毛」ならば睫毛がくるりとカールでしょ 「鬱陶し毛」はなかなか手の届かぬ処なり 「偉ぶり毛」眉毛口…

バカ話(3・序説3)

手元に本がないので記憶で再現するが松田道弘の名著「とりっくものがたり」にこんな話があった。 「ある男が人を殴って警察で取り調べを受けました。「なぜ殴ったんだ?」「あの男が私をカバと言ったからです」「それは何年も前のことだそうじゃないか?」「…

バカ話(2・序説2)

前回は話題の途中でいきなり(続く)になってしまった。何も気を持たせようとしたのではなく、ブログ1回の文字量制限がそこまでだったのだ。1000文字というとペラ(200字詰)5枚だな、と最初は原稿用紙に書いてから載せた。携帯で清書すると1785バイト。でも直接…

バカ話(1・序説)

しまったあ、と少し後悔、でも感服多大な気分だ。言うまでもなくリクエスト受け付けますの件で、初めて来たお題は「出会い」、今回は「バカ話」と来た。どちらも括りがでかすぎて焦点が絞り込めない。ぼくは普通に「ヌーヴェル・バーグ」とか「ライター生活…

ゴールデン・バット

駅前の酒屋は小中学校時代の同級生が店主、奥さんも同級生だ。この町に戻ってから暫くは、煙草を買っても気づかれず、ぼくも名乗らなかった。それも不自然か、と数ヶ月して名乗ると、奥さんが「私も覚えてない?」「同級生で結婚なんて珍しいね」「そうでも…

尊敬する人へのメール

先生お元気ですか。佐伯です。 ぼくは鬱がひどく、この3週間寝たきりになっています。精神科の通院以外は近所への買い物がせいぜい、3週間の合計で数時間も外出ていないくらいです。 起きているのは1日数時間程度、後は目が覚めてもずっと横になっています。…

クライスト・チャーチ

田舎町に小さな教会が建った。町の名士の洋服店主が中央の教団から牧師を招いて設立したもので、この町では最初のキリスト教会だった。もちろん始めはごく少人数で、洋服店の従業員と店主の家族、知人しかいない。ぼくの父と母は従業員で父は洋裁士、母は受…

もっと光を…

スタンダールの墓碑銘は「生きた、書いた、愛した」。プロの作家ではなく政治家だった。しかしこの墓碑銘は素晴らしい。先にやられたという感じだ。 漱石の死に際の言葉は「嫌だ、まだ死にたくない、今死にたくない」というようなもので(ぼろぼろだったらし…

出会い(決着)

出会い、というリクエストには悶絶した。あなたは天然だ(笑)。ぼくのブログは性愛と精神疾患、離婚や逮捕とうかつにコメントできない内容ばかりなのでコメントは皆無、でも2週間で毎日の訪問者は30人になりました。みんな毎日読んでくれるのです(子育て記事…

出会い(訪問者)

ストレートでいいんだ、とやっと気づいた。ぼくに「出会い」というテーマをリクエストしてくれたあなたとはもう出会っている。ライター時代にはこんなに読者と向き合っている感覚はなかった。10万部、20万部の雑誌に書くことは文章をお金にすることだった。 …

出会い(友人の思い出)

仕事を終えてアパートに帰ると、ドアの前に親友が立ってぼくを待っていた。右手にハンマー、左手に包丁。部屋の窓にはガムテープが張ってある。 「殺す。おれも死ぬ」 「なんで殺すんだい?」 「あんたがいると死ねないんだ」 ぼくは彼の自殺未遂を何度も助…

出会い(不倫篇続き)

そうだ、「情事の終わり」があるじゃないか、と思いついたのは要するに近代・現代の恋愛小説は不倫小説ばかりなのに改めてきづかされたからだった。あるいは失恋小説。さすがに三島は狙いが鋭く、不倫や失恋の要素の一切ない「潮騒」でますます評価を高めた…

出会い(不倫の始まり)

そうだ、グレアム・グリーンの「情事の終わり」もあったな、多分今は絶版だが伊藤整の「小説の認識」に詳細な分析がある。再読してみよう。全集が書架にある。伊藤整はジョイス「ユリシーズ」とロレンス「チャタレー夫人の恋人」の初訳をこなしたシゾイド型…

出会い(続篇)

中学2年の頃、ぼくは母に迫られて近親相姦の状態にあった。実際の行為には至らなかったがきわどかった。 日曜の昼寝の布団に呼ばれ、赤ちゃんの時にはこうしてあげたのよ、赤ちゃんみたいにお母さんに甘えて。夢の中では本当の行為に進んで夢精した。数年後…

怒り

ぼくの親友、職場の同僚はいきなり社長からひどい罵倒を受けた。それも全員の前で。彼の無能が全体を滞らせ損害を与えている、なぜお前はここにいるんだ? 誰もが黙っていた。ぼくも。彼はきちんと仕事している。ぼくたちも。たまたま彼が言いがかりの標的に…

出会い

あなたのリクエストには意表を突かれた。「出会い」ぼくはなにを書けばいいんだろう。 ぼくは「ひとこと」でリクエストを募集していた。クリスチャン教育、女性経験、芸術一般(特に文学、音楽、映画、美術)、サブカルチャー一般、ライター家業、結婚と育児、…

里霧へのメール(予備不安3)

この後ちょっとビターな内容に入る。調子がよくなかったら、読まないで。 ぼくもきみに恋愛感情を持っていたんじゃない。きみがメールで何度も「恋愛感情ではありません」と書いて来たのでおかしかった。恋愛感情でもないのに、二人とも「予備不安」を抱いて…

里霧へのメール(予備不安2)

「入院は楽しかった」ときみは書いてた。でももういいわ、とも言っていたね。ぼくは家庭生活の末期に家庭からの避難を切望していた。それは一時的なものでも良かったんだけど、妻は離婚を決めた。たぶんそれが、ぼくたちがわかりあえた理由だ。 きみとぼくの…

里霧へのメール(予備不安1)

午後の地震には驚いたね。ぼくはきみへのメールをそろそろ仕上げる所だったが、どさどさ崩れてくる本やCDから逃げてバスルームに避難し、揺れが収まって部屋を片付け携帯電話を見ると書きかけメールの冒頭数行しか残っていなかった(ああ!)。それでとりあえ…

終わってなかった

近所だからといって油断ができたものじゃない。ぼくは午前中の疲れをくつろいで、ブログに新しく投稿した。ぼくに訪問してくれる中でとても気になる女性がいる。結局ぼくは読者を意識して書いている。彼女はどう思ってくれるか。 ぼくは月刊誌で5万部、8万部…

里霧へのメール(震災篇3)

「佐伯さんに可愛い彼女ができますように」ときみはメールで言った。「だってそうじゃなきゃ思い切れないもの…」と電話で言った。「今度また入院したら、また女ができるぜ」「きっとそうね(笑)」とも話したね。きみは本当に可愛い。 連絡再開後、きみは「大…

里霧へのメール(震災篇2)

Uさんはぼくの俳句を「グロテスクなユーモアと抒情」と認めてくれて、独立性の高い句をセレクトしてくれた。 「U…選・佐伯和人代表句」 ・ラジコンよムショの夏空飛翔せよ ・逆光に鳥影走る錯視かな ・陰嚢の裏は調べず若白髪 ・白井さん既にパスカルの深…

里霧へのメール(震災篇1)

可愛い里霧、地震は驚いたね。 こういう時には、今きみはまずお母さんで奥さんでなければいけない。ぼくはもうそのことでつらい気持にはならない。 退院後の初受診で主治医から「今困っていることは?」「退院後に交際を求められている女性がいます」「ああ、…

今日は終った

正午に帰宅、今日は終った。まったく気力も体力も残っていない。この1週間で外出時間は合計30分。鬱のどん底で部屋に閉じこもり食事は1日2食。1食はざるそばかサンドイッチ、1食は豆腐一丁。これでは佐伯祐三や辻潤のように餓死しかねない。躁鬱病者の鬱期は…

娘たち(2)

次女の出産はすぐに迫った。「破水したわ」と妻は言った。長女は熟睡中。「私ひとりで行ける、タクシーで。あかねをお願い」 妻を送り出して2時間後に産婦人科から電話「素晴らしい安産でしたよ。奥様もお嬢様もお元気です」 妻は長女の時も破水から3時間、…

「男としてのわが人生」への里霧からの手紙

まだ6歳の幼い子供が性的対象にされた事に、怒りを感じます。これは犯罪です。だからあなたは女嫌いなの? でもそれより、あなたのお母さんとあなたとの関係はもっと驚きです。14歳のあなたは拒まなかったの?おかしいと思わなかった?私には理解不能です。…

娘たち(1)

里帰り出産だったから妻と長女を迎えにいったのは3ヶ月になった頃になる。あかちゃんてバンザイして寝るんだな、しかも毎日新しくからだを動かすことを自分で発見する。両手をあわせる。腕を組み合わせる。指を組み合わせる。表情が多彩になる。オルゴールの…

里霧への手紙(中学生時代の回想)

アンリ・ミショーの散文詩。「2000年後にもこんな小説を書く生意気な青年が現れるだろう。…ぼくは24歳、地球は飽き飽きした。月にも行った。木星にも。まるで面白くなかった。そして有名人はみんな退屈だった。…やがてぼくは一人の少女に会った。人類の歴史…