人生は野菜スープ~usamimi hawkrose diary

元雑誌フリーライター。勝手気儘に音楽、映画、現代詩、自炊などについて書いています。

三好達治

伊東静雄詩集『わがひとに與ふる哀歌』(昭和10年=1935年刊)その1

(伊東静雄明治39年=1906年生~昭和28年=1953年没>) 伊東静雄(明治39年=1906年12月10日生~昭和28年=1953年3月12日没)は明治40年(1907年)生まれの中原中也、逸見猶吉より1歳年長の詩人ですが、中原の作風が昭和2年(1927年)頃までには確立し、逸見の画期的な「…

夭逝のシュルレアリスム散文詩詩人・千田光(1908-1935)後篇

(千田光明治41年=1908年生~昭和10年=1935年没>) 『千田光詩集』 (小野夕私梓)森開社・昭和56年(1981年)11月十日刊・限定参百部 千田光(本名・森岡四郎、明治41年=1908年生~昭和10年=1935年没)は東京生まれ、幼児期に父を亡くし、小学校卒から多くの兄姉と…

夭逝のシュルレアリスム散文詩詩人・千田光(1908-1935)前篇

「現代詩手帖」昭和46年=1971年1月「小特集・千田光詩集」掲載号 (千田光明治41年=1908年生~昭和10年=1935年没>) 日本のシュルレアリスム散文詩詩人・千田光は本名・森岡四郎、明治41年(1908年)東京に生れ、幼くして父を失い、多くの兄姉に囲まれて育ちま…

三好達治と菱山修三「懸崖」・田村隆一「四千の日と夜」

(三好達治) モダニズム時代の散文詩詩人、菱山修三(1909-1967)は今日ほとんど顧みられず、坂口安吾や逸見猶吉とは交友があったそうですが、当時の詩の流派のどこにも属さなかったために一目置かれこそすれ何となく孤立していた存在だったようです。没後に全4…

三好達治詩集『測量船』(昭和5年=1930年刊)と明治・大正・昭和の散文詩

(詩集『測量船』第一書房・昭和5年=1930年12月刊) 「鴉」 三好達治 風の早い曇り空に太陽のありかも解らない日の、人けない一すぢの道の上に私は涯しない野原をさまようてゐた。風は四方の地平から私を呼び、私の袖を捉へ裾をめぐり、そしてまたその荒まじい…