散文詩
(千田光明治41年=1908年生~昭和10年=1935年没>) 『千田光詩集』 (小野夕私梓)森開社・昭和56年(1981年)11月十日刊・限定参百部 千田光(本名・森岡四郎、明治41年=1908年生~昭和10年=1935年没)は東京生まれ、幼児期に父を亡くし、小学校卒から多くの兄姉と…
「現代詩手帖」昭和46年=1971年1月「小特集・千田光詩集」掲載号 (千田光明治41年=1908年生~昭和10年=1935年没>) 日本のシュルレアリスム散文詩詩人・千田光は本名・森岡四郎、明治41年(1908年)東京に生れ、幼くして父を失い、多くの兄姉に囲まれて育ちま…
(詩集『測量船』第一書房・昭和5年=1930年12月刊) 「鴉」 三好達治 風の早い曇り空に太陽のありかも解らない日の、人けない一すぢの道の上に私は涯しない野原をさまようてゐた。風は四方の地平から私を呼び、私の袖を捉へ裾をめぐり、そしてまたその荒まじい…
(萩原朔太郎明治19年=1886年生~昭和17年=1942年没>) 口語による散文詩が日本の現代詩に確立・定着したのは三好達治(明治33年=1900年生~昭和39年=1964年没)の『測量船』(昭和5年=1930年12月刊)の収録諸編であり、当時の三好はボードレール晩年の散文詩集…
*町 医 祝 算之助 夜とともに、町医者はやつてきた。家来をつれて。その家来は、たぶん同じ猟ずきな仲間ででもあろう。 ちいさな部屋のなかは、黄いろい絵具が、べたべたちらかっている。私はどのようにも、片ずけきれないのだ。 そのまんなかに、金魚(きん…