人生は野菜スープ~usamimi hawkrose diary

元雑誌フリーライター。勝手気儘に音楽、映画、現代詩、自炊などについて書いています。

アル中病棟入院記139

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・4月3日(土)晴れ
(前回から続く)
「結局堀口さんには自分の思いよりもあっさりした文面を書き送り、内藤牧師からの二通のメールを読み返す。胸に迫った。教会の近況、明日(4月4日)はイースターで、石井くんが子供たちの引率をして公園で玉子さがしをする予定。イッシーの絵画の上達ぶりならそろそろアクリルからオイルに進ませたいが、絵画教室ではオイルは手間がかかるので(乾きが遅いから)どうしようか。最近はすっかり子供たちのまとめ役になって、日曜学校を再開したいという先生の意思を汲んでくれること。そう、クリスチャンではないイッシーが毎週礼拝を守り、教会の地域活動によほど貢献しているのを、牧師の非力をなじるばかりの信徒の方々はわが身に照らすべきだ、と改めて思う」

「それから、8年前に絵画教室に通っていた女の子が4月に千葉に引っ越して看護学校に入学することになり、三月のひと月だけヴァイオリンを習いたい(弟がヴァイオリン教室に通っていた)とやってきて、ここは昔と変らない、としきりに懐かしがり、初対面の子供たちともすぐに打ち解けて、やっぱり絵も描いていきたい、と描いていき、この町に来ることがあったら絶対この教会に寄るから、と約束し、『ヴァイオリン教室や絵画教室をやっていてよかった、と思わせてくれる出来事でした』と内藤先生の一通目のメールは結んであった」

「二通目のメールでは絵画教室やヴァイオリン教室の新入生のこと、『オーケストラの少女』観たさに500円の二本組DVDを買ったらもう一本の『素晴しき哉、人生』もとても良くて得した(そりゃそうだ、ジェームズ・スチュワート主演のフランク・キャプラ作品だもの)、両作品の感想、それから再びイッシーについて。先生は彼を愛しているんだな、と思う。彼は素直で良い少年だし、母子家庭という環境もあり、先生とは父子的な絆が双方からあるように思える。本人は絵画教室の生徒というだけだから、と言いながら毎週の礼拝出席も欠かさず、絵画教室の生徒だから、という理由だけで礼拝の準備や片づけ、教会行事の仕度を率先して手伝い、決して信仰を求めているとは言わないし、クリスチャンになるつもりもないと言う。だがもう彼は誰よりも御心に叶った行いをしているではないか。…そしてメールは、教会では佐伯さんの健康回復と導きを祈っています、と結んであった」(続く)