人生は野菜スープ~usamimi hawkrose diary

元雑誌フリーライター。勝手気儘に音楽、映画、現代詩、自炊などについて書いています。

ディラン『クィーン・ジェーン』

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 今回のボブ・ディラン(1941-)は原題'Queen Jane Approximately'(直訳すれば「クィーン・ジェーンのおおよそ」)、アルバム「追憶のハイウェイ61」'Highway 61 Revisited'1965(「ハイウェイ61再訪」)の、LPではB面トップを飾るナンバー。ライブ盤では「ディラン&ザ・デッド」1989(グレイトフル・デッドとの共演作、1987年収録)。このライブはベスト盤並みに代表曲がずらりと並ぶが曲ごとの出来・不出来も激しい。幸いこの曲では調子も相性も良かったようだ。
 ところでアルバム「ハイウェイ61」からの紹介はこれが初めてになる。「ライク・ア・ローリング・ストーン」で始まるこの名盤は辛辣な曲揃いで訳詞の選択に困るのだ。まずはこれ、か。クイーンはゲイを指す隠語なのに注意。そう、これは悩めるオカマの歌なのだ。

『クィーン・ジェーン』

きみのお母さんがきみへの招待状をすべて返送し
そしてきみのお父さんがきみの姉妹に説明して
きみがきみ自身ときみがつくったものに退屈していると言うなら
おれに会いにおいでよ、クィーン・ジェーン
おれに会いにおいでよ、クィーン・ジェーン

いまや花の貴婦人たちもきみに貸したものを返してくれとやってきて
そしてバラの残り香もすっかり消えて
それからきみの子どもたちもきみを嫌い始めたら
おれに会いにおいでよ、クィーン・ジェーン
おれに会いにおいでよ、クィーン・ジェーン

いまやきみの世話した道化師たちもみんな
戦死やら犬死にやらで死んで
そしてそんな繰り返しできみはもううんざりなら
おれに会いにおいでよ、クィーン・ジェーン
おれに会いにおいでよ、クィーン・ジェーン

きみの顧問がみんなプラスチックの塊りをきみの
足もとに吐きだしてきみの痛みを悟らせるとき
きみの結論はもっと根本的だと証明したいなら
おれに会いにおいでよ、クィーン・ジェーン
おれに会いにおいでよ、クィーン・ジェーン

いまやきみがもう片側の頬を向けた山賊たちも
バンダナを取って不満をもらしている
そしてきみがしゃべらなくてもいい誰かがほしくなったら
おれに会いにおいでよ、クィーン・ジェーン
おれに会いにおいでよ、クィーン・ジェーン
 (前記アルバムより)