実際は基本のしょうゆラーメンに、さらに細切りネギをトッピングしたものをネギラーメンというらしい。なんでも中央線沿線では割とあるメニューらしいが、そんなものがあるのを初めて知ったのは江口寿史のマンガで、ねじ式くん(見ればわかる……(笑)が冬のラーメン屋に無表情で入ってきて「ネギラーメン」と頼む。後はラーメン屋のおやじがお約束で丼に親指を突っ込んで持ってきて、ねじ式くんは黙って食うか取り替えさせるかビクビクしながら大いに悩む、という他愛もないお話なのだが、「ネギラーメン」には参りましたね(笑)。たぶん当時は(今もか?)全国的な認知度は低い東京のご当地ラーメンをごく当たり前のように出してくる、しかもトッピング具材としては豪華とも思えず響きもしょぼい「ネギラーメン」という、この貧乏くさいメニューのセレクトだけでインパクトが大きかった。これが「わかめラーメン」や「燻玉ラーメン」ではねじ式くんの不健康でいじけたキャラクターに似合わないのだ。
画像のは、チャーシューもハムも切らしちゃっていたわけですよ。それでラ王のみそラーメンを茹でたのだが、みそラーメンの麺は太いので茹で時間は4分かかる。玉子を落としても良かったが玉子は夕食に使いたい。そこでキャベツの葉を4枚ちぎって一緒に茹で(包丁で切るより手ちぎりの方が断面が大きく、茹であがりやすい)、支那竹と刻みネギを麺が隠れるくらいたっぷり乗せた。キャベツ・メンマ・刻みネギだけで麺と同量近くあるからみそラーメンに野菜の具が入っているのか、野菜の味噌汁に麺も入っているのかわからないようなものだ。これでわかめまでいれたら、わかめとみそスープ自体は合うのだが、すでに具材がてんこ盛りだと、ちょっとくどくなる。
ネギラーメンに相当するものを作ってみたことはあるのだが、長さ5cmくらいに縦に細切り、というのが面倒くさい。長ネギ特有の粘りがあるし、プロは業務用の鋭利な包丁でチャチャッと切るのだろうが、一般家庭の包丁なんてそうそう手入れはしないだろう。むしろ安全のために軽く当たったくらいでは指が切れないほうが良い、とも言える。もっともそれでも切ってしまった場合は、断面の細胞が押し潰されてしまっているので、傷口が治りが遅かったり、きれいに治らなかったりする場合もある。うちの包丁なんかはたくあんを切ると皮一枚残してつながってしまう。豆腐を切ると切り口が潰れている。そんなものだろう。切れすぎてこわいよりはましだと思っている。