具材の豚モツとコンニャク(短冊切りに切れ目を入れてひねる)を土鍋に投じてしょうゆ、みりん、おろし生姜と砂糖を浸る程度に割り、以前にも載せたのと同じ具合のモツ煮込みの手順で水から沸かして沸騰してから20分煮込んでひと晩寝かせる。朝開けてみたら蝋細工のようになっていた。豚モツとはこれほど脂が出るものなのだと、わかっていても毎回驚く。
火を入れて固まった脂を溶かし、コンニャクと豚モツを掘り返すとこんな具合。土鍋が冷めていくにつれ皮膜が張っていくので熱いうちに召しあがる。土鍋1杯作ると優に3日の夕食分にはなるので、1食分食べてまた蓋をしておく。寒いのは閉口だが、冬場は料理が常温で持つから助かる。しばらく置いて冷めたのを見るとまた蝋細工になっていた。先数日の脂肪分摂取はほとんどこのモツ煮込みに頼ると思うとこれが自分の身体に溶けていくのが何となく実感される。モツ料理が嫌いな人がいるのもわかるがこの醍醐味と無縁なのは残念で、しかもこの鍋は汁だけになったら煮込みうどんで締めるとたいへんおいしい。今年もあと数日となるとなおさらモツ煮の味が沁みてくる気がする。