人生は野菜スープ~usamimi hawkrose diary

元雑誌フリーライター。勝手気儘に音楽、映画、現代詩、自炊などについて書いています。

山村暮鳥

連作長編詩「戯言集」昭和9年(1934年)の内容分類

(高橋新吉明治34年=1901年生~昭和62年=1987年没>、昭和29年=1954年、53歳) 『定本高橋新吉詩集』立風書房・昭和47年(1972年)10月1日刊) ふだん読者が詩と思って読んでいるものは作者によって「詩」と名銘って発表されているから「詩」という意識で書かれ…

第三の詩人・大手拓次(後編)

詩集『藍色の蟇』昭和11月(1936年)12月・アルス刊 (大手拓次明治20年=1887年生~昭和9年=1934年没>) (大手拓次の自筆原稿とイラスト) 生前まったく無名だった詩人・大手拓次(明治20年=1887年11月3日生~昭和9年=1934年4月18日没)は山村暮鳥(1884-1924)、…

第三の詩人・大手拓次(前編)

(大手拓次明治20年=1887年生~昭和9年=1934年没>) 詩集『藍色の蟇』昭和11月(1936年)12月・アルス刊 (大手拓次の自筆原稿とイラスト) 大手拓次(明治20年=1887年11月3日生~昭和9年=1934年4月18日没)は群馬県生まれ、早稲田大学英文科在学中から詩作を始…

萩原朔太郎の率直さ

(25歳頃の萩原朔太郎と末妹・愛子) 萩原朔太郎(1886-1942)は広い愛読者を持つ詩人ですが、決定版全集とされる草稿から異稿まで網羅した大冊で全16巻におよぶ筑摩書房版の『萩原朔太郎全集』より、青年時代には萩原の秘書だった晩年の三好達治(1900-1964)がや…

山村暮鳥詩集『聖三稜玻璃』(大正4年=1915年刊)その4

(山村暮鳥明治17年=1884年生~大正13年=1924年没>) 『聖三稜玻璃』初版=四方貼函入り型押し三方山羊革表紙特製本/にんぎょ詩社・大正4年(1915年)12月10日発行 (着色型押し三方山羊革表特紙本) 1915 I-II くれがた くれがたのおそろしさ くりやのすみの玉葱…

山村暮鳥詩集『聖三稜玻璃』(大正4年=1915年刊)その3

(山村暮鳥明治17年=1884年生~大正13年=1924年没>) 山村暮鳥(明治17年=1884年1月10日生~大正13年=1924年12月8日没)の第2詩集『聖三稜玻璃』全編はほぼ均等な4部に分かれ、本文中の該当ページに「1915 III-V」「1914 V-」「1914 VII-XII」「1915 I-II」…

山村暮鳥詩集『聖三稜玻璃』(大正4年=1915年刊)その2

(山村暮鳥明治17年=1884年生~大正13年=1924年没>) 山村暮鳥(明治17年=1884年1月10日生~大正13年=1924年12月8日没)の第1詩集『三人の處女』は大正2年(1913年)5月に島崎藤村(1872-1943)の序文を巻頭に掲げて刊行されましたが、成立までには明治45年(1912年)3…

山村暮鳥詩集『聖三稜玻璃』(大正4年=1915年)その1

(山村暮鳥明治17年=1884年生~大正13年=1924年没>) 以前に代表作をご紹介した明治後期の詩人・伊良子清白(1877-1946)の名詩集『孔雀船』(明治39年=1906年)や蒲原有明(1876-1952)の傑作『有明集』(明治41年=1908年)、石川啄木(1886-1912)の未完の遺稿詩集『…

石川啄木と『現代詩人全集』 (昭和4年=1929年~昭和5年=1930年)(前編)

(石川啄木明治19年=1886年生~明治44年=1912年没>) 隱沼 石川啄木 夕影しづかに番(つがひ)の白鷺(しらさぎ)下り、 槇(まき)の葉枯れたる樹下(こした)の隱沼(こもりぬ)にて、 あこがれ歌ふよ。――『その昔(かみ)、よろこび、そは 朝明(あさあけ)、光の搖籃(ゆ…