人生は野菜スープ~usamimi hawkrose diary

元雑誌フリーライター。勝手気儘に音楽、映画、現代詩、自炊などについて書いています。

2013-01-01から1ヶ月間の記事一覧

(34b)ハンク・モブレー(ts)

モブレーの興味深いセッション盤といえば、不遇ピアニストの代表格エルモ・ホープの「インフォーマル・ジャズ」56.5、テナー奏者連名の「テナー・コンクレイヴ」56.9、ジョニー・グリフィンの「ブローイング・セッション」57.4(画像1)がある。どれもテナー・…

失くした物・見つけた物

やっと満二年になるが、今のところ最後の入院は2010年12月~2011年3月で、入院直前数週間の躁状態はひどかった。幻覚や妄想は元よりあっという間に現金を使い果たし、タクシーで大量のCDや本を売りに行くがたいした金にもならず、ついでに万引きで捕まりタク…

(34a)ハンク・モブレー(ts)

Hank Mobley(1930-1985,Tenor Sax)。アルトのジャッキー・マクリーンと並んで、これほど愛される50-60年代のサックス奏者はいないだろう。いや、絶大な人気を誇る超人レヴェルのサックス奏者なら何人もいる。ジャズはその人たちによって前進した。それに較べ…

ふたつの「ビッグ・ヒッツ!」

67年頃(クリーム、ジミ以前)までロックのアルバムは英米でまったく選曲やタイトル、ジャケットの異なる編集が平然と行われていた。この混乱は多作な人気バンドほど大きかった。 ローリング・ストーンズの場合も英米で内容が統一されたのは67年12月の「サタニ…

回想と現在、その他のエッセイ

(1)他人事だと笑えますけど自分のことだったら笑うどころじゃないですね。ぼくも娘ふたりでしたので女児はたくさん観察してきましたが、そこまで強烈な子はいなかったなあ。大和撫子だから?でも、どんな集まりでも親同伴でなくて平気で、こっちがかえってハ…

(33d)ソニー・クラーク(p)

58年のクラークはまず後の大ヒット作「クール・ストラッティン」(画像1)を録音する。日本ではジャケットのムード(足首太くないか?)と相まって相当なプレス枚数を売りつくしたと思われる。フロントもアート・ファーマー、ジャッキー・マクリーンで悪いわけが…

ウェルカム2013 年

首都圏の年末年始は暖かかった。思い出してみると、過去30年それほど冷え込んだ時はなかった気がする。一度ならずほとんど暖房もいらず、マフラーやコートも要らないほど暖かい年の瀬・新年もあった。首都圏より南緯のはずの都市に寒波や積雪があるのは不思…

(33c)ソニー・クラーク(p)

いよいよ1957年、ソニー・クラークはL.A.からN.Y.に進出する。この6年後には不慮の事故から死んでしまうのだが、プロ歴4年、アルバム吹き込み20枚の実績を引っ提げた26歳の青年ピアニストの夢はどれほど大きかっただろうか。 クラークがL.A.出身でなかったら…

鮎川信夫『死んだ男』1947

一般に日本の敗戦後の詩史は合同年鑑詩集「荒地」に集まった詩人たちから始まるとされる。中心となった鮎川信夫(1920-1986)、田村隆一、北村太郎らは戦前、10代の頃からモダニズムの少年詩人として交友があり、大平洋戦争の開戦とともに20代を迎えた時には確…

(33b)ソニー・クラーク(p)

キャリアの長さや実績から見てもソニー・クラークより明らかに重要なジャズ・ピアニストは10人を下らない。ハード・バップ期から後でもマル・ウォルドロンやポール・ブレイがいる。このふたりなどはフリーからジャズ・ロックまでやっていて到底筆者も把握し…