人生は野菜スープ~usamimi hawkrose diary

元雑誌フリーライター。勝手気儘に音楽、映画、現代詩、自炊などについて書いています。

2012-12-01から1ヶ月間の記事一覧

(24)セシル・テイラー(p)

Cecil Taylor(1933-,piano)。この人はモンク、パウェル、トリスターノに次ぎ、ビル・エヴァンスと並ぶ最重要ピアニストだろう。後続のピアニストたちも彼らが拡げたジャズの可能性があればこそ活動し得たともいえる。ただしこの二人はまったく対照的なジャズ…

通院日記(12月3日月曜・曇り)

早朝覚醒も朝4時半で、しかも用事のある日ではつらい。二度寝では寝過ごすかもしれない。仕方なく寝床で昨夜、途中で眠ってしまった日本の70年代バンド・四人囃子の再結成ライヴの続きを見る。70分7曲はプログレッシヴ・ロック系としてはコンパクトだ。 見て…

(23)ハービー・ハンコック(p)

Herbie Hancock(1940-,piano)。やっと現存者が出てきた。もっともハンコックに異論はないが、モダン・ジャズの巨匠25人に3人だけ現存者がいるというのも何か座りの悪いものがある。たとえばマイルス・バンドで同僚だったウェイン・ショーター(テナー・サック…

悪夢の歴史、その他のエッセイ

○コメントと断片より (1)現実には詐欺や差別、いじめの被害で苦しんでいる人が大勢いて、そうした悪をなす人はたいして個人的な罪悪感を抱いていない、という状況があります。民主主義国では医療で言う対症療法、発見されたら対処する、というやり方しかない…

(22b)ビル・エヴァンス(p)

スコット・ラファロ没後のエヴァンスの状態は暗膽たるもので、浪費癖から家賃まで使い込みアパートを追い出される、見るに見かねた所属レーベル(リヴァーサイド)のオーナーが臨時にレコーディングさせてギャラを与える、また家賃滞納で追い出される、また予…

入院顛末記〈3〉

ぼくはとりわけ丈夫でもないが、大病や怪我にあったこともない。だからH市F病院が45歳を過ぎての初入院になった。昏迷状態が続いていたのか、隔離室の天井の蛍光灯が虹色に渦巻いて見え、治療のための照明なのだろうか、と思ったのを覚えている。 3日目に…

(22a)ビル・エヴァンス(p)

Bill Evans(1929-1980,piano)。この人の影響力はバド・パウェル以来のもので、パウェル派バップ・ピアノが全盛の中でレニー・トリスターノとパウェルを止揚し、ホレス・シルヴァーを加えたスタイルでデビューし(「ニュー・ジャズ・コンセプションズ」1956)、…

断食芸人、その他のエッセイ

○コメントと断片より (1)喉は渇くから水は飲みたい、蛇口はなんとかひねることができる。なのにコップが持てないんですよ。自分でも信じられなかった。力の加減や平衡感覚をコントロールできなくて、コップを水を飲む角度に傾けられない。仕方ないから縁から…

(21)ウェス・モンゴメリー(g)

Wes Montgomery(1925-1968,guitar)。モダン・ジャズで最高のギタリストというと、ウェスでまず票は割れない。また、ジャズではギターは例外的に白人プレイヤー優勢の楽器だが、ウェスはチャーリー・クリスチャン以来の改革をなしとげた。それは「オクターヴ…

入院顛末記〈2〉

そもそも入院話自体、去年の夏に一度連載している。題材は当然同じになるが、書き方は変ってくるだろう。立ち寄ってくださる方もその頃の倍になっている。初めての方にも省略なく、以前からの方にも冗漫にならないようにしなくては。筆者のところはこういう…

(20b)アルバート・アイラー(ts)

中期~後期アイラーの楽歴を追う前に、避けては通れない話題を片づけておこう。アイラーの音楽活動は年収80万円にもならなかった。生前発表のアルバムは6年間で12枚、大半がオリジナル曲にもかかわらずレコードからの収入はほとんどなく、フリー・ジャズ系の…