人生は野菜スープ~usamimi hawkrose diary

元雑誌フリーライター。勝手気儘に音楽、映画、現代詩、自炊などについて書いています。

2014-07-01から1ヶ月間の記事一覧

(再録)山村暮鳥詩集「聖三稜玻璃」1915

大手拓次(1887-1934)と山村暮鳥(1884-1924)は知名度こそ低いが、山村は萩原朔太郎(1886-1942)と並ぶ群馬三大詩人であり、大手は萩原・室生犀星(1889-1962)とともに「北原白秋門下の三羽烏」と呼ばれ、また山村は萩原・室生との同人誌「卓上噴水」「感情」の…

偽ムーミン谷のレストラン(40)

われわれにはついに解明できなかったが、最終的に下した判断の正当性は間違いはなかったと信じている。あれは、言うなれば一種の汚染のようなものだった。しかもわれわれはうかつにも外側からではなく、内側から蝕まれていたということに気づくのが遅かった…

少し休みます。

まったくの私事ですが、週末に誕生日を迎えますので前後数日は新規記事の作成をお休みします。現在、 ・入院日記(毎日) と、 ・ジャズ ・文学史 ・映画 ・作家研究 に関する雑文を日毎で順繰りに掲載し、 ・童話 ・エッセイ を不定期に掲載しておりますので…

偽ムーミン谷のレストラン(39)

この店にはウェイターはいないらしく、どうやら調理師自身が料理を運んできたようでした。玉子型の胴体の頂点が頭部に当るのか、いわば玉子に目鼻と手足をつけた姿です。この土地でスナフキンは相当異形の姿形にも馴れていましたが、中でもこの調理師はデフ…

文学史知ったかぶり(18)

アメリカ自然主義の頂点をなすドライサー『アメリカの悲劇』1925、ルイス『バビット』1922、アンダソン『ワインズバーク・オハイオ』1919は、「失われた世代」と呼ばれる新人の初期作品―カミングス『巨大な部屋』1922、ドス・パソス『マンハッタン乗換駅』19…

アル中病棟入院記225

(人名はすべて仮名です) ・5月13日(木)晴れ (前回より続く) 「学習プログラムはもう一巡しているので、負担になるようなら退院までは休んでよいと言われる。薬は四週間分まで出せるので、飲み切る前に元々通っていた地元クリニックへの申し送り書は通院予約…

偽ムーミン谷のレストラン(38)

どこまで話したっけ?そうだ、この本についてだ。私も面食らったさ。だが私がAmazonや楽天で検索してみても、ムーミン谷レストランの歴史なんて本の出品はない。つまりムーミン谷立図書館にこれが一冊あるだけなのかもしれん。だとすれば、この本の著者は外…

文学史知ったかぶり(17)

セオドア・ドライサー『巨人』1914と『アメリカの悲劇』1925、国際的ベストセラーになったシンクレア・ルイス『本町通り』1920と『バビット』1922、シャーウッド・アンダソン『ワインズバーク・オハイオ』1919と『貧乏白人』1920はクレイン、ノリス、ロンド…

アル中病棟入院記224

(人名はすべて仮名です) ・5月13日(木)晴れ (前回より続く) 「尾崎さんは見た目は角刈りで元ヤンキー然としており、長距離トラックが仕事だというから自前のトラックで契約ドライバーとして働いていたのだと思うが、長距離を何時間もぶっ飛ばしていると飲み…

偽ムーミン谷のレストラン(37)

ここはレストランなのだということは、看板の文字が読めないスナフキンでもマークで気づいていましたし(宿屋は)、漠然とパーティの余興に田舎芝居でもやっているんだな…と思いながらムーミンとフローレンのやり取りを客席から離れた壁にもたれて見ていました…

文学史知ったかぶり(16)

熟成した自然主義小説『シスター・キャリー』1900でデビューしたセオドア・ドライサーがようやく認められたのは第三作『巨人』1914からで、ゾラや藤村が自国で自然主義小説の時代を築いたようにはいかず、ドライサーはアメリカでは孤立した存在でした。ドラ…

アル中病棟入院記223

(人名はすべて仮名です) ・5月13日(木)晴れ 「アラン・シリトー死去、享年82歳というのは先月26日の切り抜きだ。朝一番に小川看護婦に声をかけられ(この人は優しい)、第三病棟のナースステーションに採血されに行く。部屋に戻り、AA参加外出の時に買ったマル…