2013-02-01から1ヶ月間の記事一覧
(連作「ファミリー・アフェア」その13) 「申し訳ない。今まで見抜けなかったんだ」 と退院後の通院再開で主治医のK先生に詫びられ、 「こちらこそお手数とご迷惑おかけしました。せっかく入院まで取っていただいたのに、間に合いませんでした」 とあいさつ…
Gerry Mulligan(1927-1996,baritone sax,piano)。 いよいよマリガン自身がプレイヤーとしてジャズ界のスターになる日がやってきた。それがロサンジェルスに渡って現地ジャズマンと結成したジェリー・マリガン・カルテットで、'Gerry Mulligan Quartet Vol.1'…
いつもは月曜はメンタル・クリニックの診察日なのだが、国民の祝日とのことでお休みになった。ぼくのように病気療養中の人間に平日も祝日もない。ついでに国民の三大義務も果していない。三大義務、すなわち勤労・納税・順法でございます。三大とはいえ先の…
Gerry Mulligan(1927-1996,baritone sax,piano)。 どう考えても「モダン・ジャズの巨人25」なら落とせない白人ジャズの雄。パーカー、ガレスピー、モンクらモダン・ジャズの開祖は別にして、マイルス・デイヴィスに匹敵する唯一の存在かもしれない。戦後ジャ…
西洋現代詩最小の全詩集はT.E.ヒューム(1883-1917)の「全詩集」1912(エズラ・パウンド編、後に遺稿集「ヒュマニズムと芸術の哲学」に収録)だという。全5篇で総計50行もない。 だが日本文学には「堀辰雄詩集」1940(立原道造編)がある。全3篇、総計49行。昭和2…
Jimmy Giuffre(1921-2008,soprano,tenor & baritone sax,flute,clarinet)。 ジミー・ジュフリーの記事を6回、400字詰め原稿用紙なら30枚、紹介アルバムが19作って本当は異常なことですの奥さま。こんな誰も読まない記事をコツコツ書くのは判官びいきというや…
(1)手帳の等級は痛し痒しですね。管轄が県の保健庁だから効率が悪いし、ぼくが直接・間接に知った例でも無茶苦茶です。いきなり1級から3級にされたり、その逆だったり、なんの根拠もないし思い当たる原因もない。異議申し立てもできるけれど形だけで却下され…
Jimmy Giuffre(1921-2008,soprano,tenor & baritone sax,flute,clarinet)。 前作「フリー・フォール」62の後ジュフリーはドン・フリードマン(ピアノ)、バール・フィリップス(ベース)とトリオを継続していたらしいが、アルバム発表は10年のブランクが開いた。…
(連作「ファミリー・アフェア」その12) 「パパの歯、イーッてしてみて」 と誰より気にしていたのも長女だった(または、妻と次女は見て見ぬふりだった)。 「パパの歯は病気なんだ。恥ずかしいから見せられないよ」 「パパはなんで病気でもお医者さんに行かな…
Jimmy Giuffre(1921-2008,tenor & baritone sax,clarinet)。 ボブ・ブルックマイヤー(ヴァルヴ・トロンボーン)とジム・ホール(ギター)、ジュフリー(サックス)という編成は後にジョン・ゾーンが「ニュース・フォー・ルル」87で踏襲するまで誰も模倣者が出なか…
(連作「ファミリー・アフェア」その11) 今にして思うと包丁をかざすほどMを追い詰めたのはぼくの干渉過剰だった、と痛切に感じる。ぼくにとってMは大切な友人だった。錯乱した時のMには躁鬱混合状態での統合失調樣症状が現れていた。他人のことはなんて明…
Jimmy Giuffre(1921-2008,tenor & baritone sax,clarinet)。 50年代後半からのジュフリーは、ジョン・ルイス(ピアノ、モダン・ジャズ・カルテット)と並んでジャズ界最大の頭脳と呼ばれた。ルイスは黒人の立場からジャズの白人的解釈を行い、しかも黒人ジャズ…
(連作「ファミリー・アフェア」その10) ぼくはアルバイトを転々としていたが、あと1年といういうところで卒業単位取得の見込みはなくなっていた。それ以上実家からの学費援助は受けられない。アルバイト遍歴の最後は編集プロダクションだった。編プロの実態…
Jimmy Giuffre(1921-2008,tenor & baritone sax,clarinet)。 前回にジュフリーのロックへの影響力については述べた。ただし白人ロックには、という限定はつく。ジュフリー自身が、トリスターノらと並んで黒人音楽であるジャズを白人の立場から再構成した人だ…
(連作「ファミリー・アフェア」その9) 母の臨終の日、ぼくは図書館から借りた小説「ユリシーズ」を読んでいた。主人公の青年はカトリックを棄教する決心をし、母の臨終の床でも祈らなかったのが心の傷になっている。ぼくは安岡章太郎の「海辺の光景」も思い…
Jimmy Giuffre(1921-2008,tenor & baritone sax,clarinet)。 誰それ?という人がほとんどだろう。幸運にも「巨人25」に選ばれたレニー・トリスターノ(ピアノ)よりはニューポート・ジャズ祭の記録映画「真夏の夜のジャズ」1958のトップに代表曲'The Train and…
昨日は「ドキドキ!プリキュア」の第1回を見たが今度のはいけそうだ。シリーズの過去作からうまくヴァリエーションを編んであって(前作「スマイルプリキュア!」はそこに工夫が足りなかった)「プリキュア5」「フレッシュ」「ハートキャッチ」あたりのドラマ…
(前回からそのまま続く)まだまだ大物ジャズマンがいて、大物すぎて後回しになってしまったのだ。まずモダン・ジャズ・カルテット(ミルト・ジャクソンの個別活動含む)、デイヴ・ブルーベック・カルテット(ポール・デスモンドの個別活動含む)、白人プレイヤー…
前回の「診察日日記」では「ハッピープリキュア!」などと書いてしまった。正しくは「スマイルプリキュア!」でハッピーは主役でセンター、ピンクの子です。作品はいまいちだった。 だがプリキュアも見ておくといいことがあるものだ。火曜の歯科はメンテナン…
今回はインデックス編としたい。なにしろこの連載は(39)で懸念だったキャノンボールを済ませて86回に及んだ。なんだか進むごとにひとりのアーティストに回数を割いている気がする。最初はロリンズですら1回、マイルスさえも2回、コルトレーンはさすがに5回、…
(1)ぼくも離婚後は入院5回(うち4回は精神入院)それと刑務所(未決囚監)もあったか、窓から見える景色は切なかったです。街があって、いろんな店があって、電車に乗って帰れば自分の部屋と持ち物があって…(刑務所の時は宿無しでしたが)。喘息を粘虫というのは…
Julian Cannonball Adderley(1928-1975,alto sax)。最終回は駆け足になる。キャノンボールは多くのジャズマンがアメリカでの活動に行き詰まり、渡欧せざるをえなかった60年代のジャズ不況にも本国をベースにした活動を続け、ジョニー・グリフィンらのように…
(連作「ファミリー・アフェア」その8) 昔々、教会と共産党は青年男女が集える貴重な社交施設だった。小さな町に洋服店の店主が教会を建て、当初は従業員と店主の友人だけだったが、最初に洗礼を受けた男女が職場結婚することになり、初めての挙式が行われ、…
Julian Cannonball Adderley(1928-1975,alto sax)。ここからのキャノンボールは絶好調で、早すぎる逝去(肥満が原因の心臓病。「キャノンボール」とは大食漢という意味)まで足が地についた活動を続ける。 マイルス・セクステット退団後、キャノンボールはエマ…
(連作「ファミリー・アフェア」その7) 子供の頃のほうが死への恐怖は強かったように思える。クリスチャン・ホームに生まれ、キリスト教教育を受けて育ったせいかもしれない。天国に対する地獄は絶対的な虚無として叩きこまれた-そもそも自分などなかったか…
Julian Cannonball Adderley(1928-1975,alto sax)。前々回の「マイルストーンズ」タイトル曲だが、テーマ合奏の後ファースト・ソロはキャノンボールから始まる。これが僅かなミス(モードとしては)はあるが作曲してあったかのように歌心に溢れたソロで、現行…