#映画レビュー
サイレント時代の映画史上でもグリフィスの『国民の創生』'15、『イントレランス』'16に続いて画期的作品になったのが、やはりグリフィスの『散り行く花』'19と同年に公開されたシュトロハイム『アルプス颪』'19(アメリカ)、ガンス『戦争と平和(戦渦の呪い)…
11月は久しぶりにサイレント時代のドイツ映画でも観ようと、つねづね戦前の映画評価の重要参考文献にしている筈見常夫『映画作品辞典』'54(弘文社アテネ文庫・昭和29年刊)、田中純一郎『日本映画発達史』'57(中央公論社・昭和32年刊)に上がるサイレント時代…
最近廉価版DVDが再発売されたので久しぶりにルイ・マル(1932-1995)とクロード・シャブロル(1930-2010)の1960年度作品を観直してみました。マル作品は『沈黙の世界』'56(ジャック=イヴ・クストーと共同監督のドキュメンタリー、カンヌ国際映画祭グランプリ)…
アメリカ古典モンスター映画といっても今回取り上げたコスミック出版のボックスセット3種・29作は九尾の一毛ですが、最終回にRKOラジオ映画社のゾンビ映画2作が掉尾を飾るのは作品の出来もめでたいので嬉しいことです。RKOラジオ映画社は'30年代~'40年代の…
コスミック出版のボックスセット『ホラー映画パーフェクトコレクション~ゾンビの世界』は実にうまいセレクションがされていて、昨年2017年6月の発売時にも再見・未見の作品を含めて一通り観ましたが、今回感想文を書くために製作映画社と年度を調べてみると…
ゾンビ映画は古典時代('30年代~'40年代)にもインディペンデント映画、メジャー映画、マイナー社映画と出自もばらばら、内容も多彩で予期できないものですが、今回はメジャー映画社からのゾンビ映画2作、マイケル・カーティス(!)監督のボリス・カーロフ主演…
世界初のゾンビ映画とされるインディペンデント映画の『恐怖城(White Zombie)』'32はエドワード(製作、生没年不詳)とヴィクター(監督、1895-1983)のハルペリン(Halperin)兄弟が共同設立したハルペリン・プロダクションズが製作・監督し、主演のベラ・ルゴシ…
コスミック出版の『フランケンシュタインvs狼男』『ドラキュラvsミイラ男』に続く古典ホラー映画ボックス第3集は『ホラー映画パーフェクトコレクション・ゾンビの世界』2017年6月23日刊(10枚組)で、ジョージ・A・ロメロ逝去の前月にリリースされた同ボックス…
今回の2作でアボット&コステロ主演のパロディ映画の第6作で最終作『凸凹ミイラ男の巻』'55以外のミイラ男のシリーズは、ホラー映画としての最後の第5作までご紹介することになりますが、前回のおさらいをしておくと、ユニヴァーサルのミイラ男映画は'32年に…
ユニヴァーサル・ホラー4大モンスターは年代順にドラキュラ、フランケンシュタイン(の怪物)、ミイラ男、狼男ですが、これらは以外とそれほどシリーズとしては多くはなく、フランケンシュタイン8作(狼男と合流1作、ドラキュラと狼男の合流3作うちアボット&コ…
アメリカでは原作著作権継承者からライセンスを取った『魔人ドラキュラ』'31でドラキュラの名称はユニヴァーサル映画社が商標登録したので、著作権消滅期限までドラキュラと名のつく映画、ドラキュラを名乗る吸血鬼の映画はユニヴァーサル社だけのものでした…
今回からのコスミック出版の書籍扱い廉価版ボックスセットは『ホラー映画傑作集~ドラキュラvsミイラ男』で(発売順)、『フランケンシュタインvs狼男』は9本組・全作ユニヴァーサル作品かつ3作はフランケンシュタインの怪物と狼男の競演作(さらに1作はドラキ…
第3回の3作でボックスセット『ホラー映画傑作集~フランケンシュタインvs狼男』収録の9作の感想文は一段落となります。まだこのあと『ドラキュラvsミイラ男』『ゾンビの世界』(各10枚組)が控えているので1/3にも達しませんし、今回のフランケンシュタイン・…
いやはやもう、2回目の今回の感想文にとりかかる現在すでに10数本の、ユニヴァーサル・ホラー中心のこのコスミック出版からのアメリカ古典モンスター映画ボックスセット(『フランケンシュタインvs狼男』は全作ユニヴァーサル、『ドラキュラvsミイラ男』は1作…
今回からは9月に観た『フランス映画パーフェクトコレクション』同様、コスミック出版からの書籍扱いDVDボックスセット3組でアメリカの古典モンスター映画を観て感想文を書いていきたいと思います。基本的には10枚組で1セット1,500円~1,980円の廉価版リリー…
延々年代順に観てきた『フランス映画パーフェクトコレクション』の3集分に収められた10×3=30作もようやく今回の2作が最終回で、『フランス映画パーフェクトコレクション』は9月発売の『情婦マノン』、10月末発売予定の『嘆きのテレーズ』とまだ続きますが、…
フランスの20世紀後半の映画の中で、おそらくもっとも広く観られていて人気が高く、特に映画好きの人でなくてもタイトルが浸透している作品は候補はいくつか上げられますが、中でもポピュラー性の点でずば抜けて際だっているのは『禁じられた遊び』'52ではな…
廉価版ボックスセット『フランス映画パーフェクトコレクション』の『ジャン・ギャバンの世界』既刊3集には数本の日本初DVD化・世界初DVD化作品が収録されていましたが、今回ご紹介するサッシャ・ギトリ監督、ミシェル・シモン主演の日本未公開作品『毒薬』'5…
この『フランス映画パーフェクトコレクション』は基本的な選択基準は映画のサウンド・トーキー化以降のパブリック・ドメイン(著作権期限切れ)作品、つまり'30年~'53年までのフランス映画の著名作を集めたものですが、著名作必ずしも名作とは限らず、またそ…
いやあ観た観た。これを書いている現在では『フランス映画パーフェクトコレクション』の『天井桟敷の人々』『巴里の屋根の下』『舞踏会の手帖』の3集・30作を全部観直し終えているのですが、『フランス映画パーフェクトコレクション~ジャン・ギャバンの世界…
9月にまとめて観たコスミック出版の10枚組DVDボックス『フランス映画パーフェクトコレクション』既刊3集は『フランス映画パーフェクトコレクション~ジャン・ギャバンの世界』既刊3集の続刊で、『天井桟敷の人々』『巴里の屋根の下』『舞踏会の手帖』の3集が…
映画(舞台劇)はヒットせず、どちらかと言えば不評だったのに、主題歌(または挿入歌)はスタンダード化するロング・ヒットになった例は、レコード歌曲のオリジナル盤がヒットせずカヴァー盤がヒットして有名楽曲になった例と同じくらい調べてみると案外多いの…
マルセル・カルネの戦時下の作品『悪魔が夜来る』'42には今回散々な感想文を書いてしまったくらい観直して面白くなかったのですが、あれは自分でも不本意で感想文を書くくらいなら映画の場合に限らず良いところを見つけてこそで、『悪魔が夜来る』の場合はそ…
これまで有名作品がずらりと並んだ『フランス映画パーフェクトコレクション』でも今回の2作はグッと地味で、たまたま本国公開年月日を調べて年代順に観てきたところこの2作が並んだのですが、かたやジャック・ベッケル、かたやサッシャ・ギトリとフランス映…
この映画日記感想文は始めた頃は簡潔に映画1本に数行~十数行、短く感想だけを書いていたのですが、加齢現象とは怖いもので徐々に長くなり、というのも歳を取ると次にいつ同じ映画を観直す機会が来るか心許なく、今回は観直す機会を得たものの次はあるのかと…
前回の2作『アタラント号』と『ミモザ館』も相当な取り合わせでしたが、今回の『舞踏会の手帖』と『ゲームの規則』も負けず劣らずどころかまったく対照的な運命を背負った2作で、本国公開翌年に日本公開された『舞踏会の手帖』は翌年日本公開された『望郷』'…
パブリック・ドメイン作品を集めたコスミック出版の廉価版10枚組DVDボックス『フランス映画パーフェクトコレクション』は『ジャン・ギャバンの世界』の既刊3集も、おそらくフランス本国ですらここまで集めたものはないと思われる、ジャン・ギャバンの主演・…
おおむね質の良いマスターを使って十分満足できる画質の『フランス映画パーフェクトコレクション』の中で、単品発売が高価で品薄になっているルノワールの傑作『素晴らしき放浪者』'32は多少落ちる画質で、これでも気にするほど悪くはなくアメリカ版の正規盤…
今回ご紹介しているコスミック出版の書籍扱い廉価版10枚組DVDボックス『フランス映画パーフェクトコレクション』は、同社から2007年に刊行されてロングセラーになっていた『フランス映画名作コレクション』2巻が下敷きになっており、先に2016年12月~2017年1…
パブリック・ドメイン映画を廉価版DVD10枚組のボックス・セット(書籍扱い流通)で毎月2セット、リリースしているコスミック出版からのDVDは、今年4月にも『フランス映画パーフェクトコレクション~ジャン・ギャバンの世界』第1集~3集の全30本を観直しました…