人生は野菜スープ~usamimi hawkrose diary

元雑誌フリーライター。勝手気儘に音楽、映画、現代詩、自炊などについて書いています。

2012-01-01から1年間の記事一覧

(17a)ジョン・コルトレーン(ts)

John Coltrane(1926-1967,tenor & soprano sax)。この人は遅咲きの大器晩成として知られ、初の自己名義のアルバムは30歳の時だった(「コルトレーン」1957・画像1)。ディジー・ガレスピーのバンドでデビューし、セロニアス・モンクのバンドで薫陶を受け、55年…

「Taxman」その他のエッセイ

○コメントと断片より (1)'Taxman'はかっこいい曲ですね。高校生の頃、当時人気バンドだったザ・ジャムの'Start!'という新曲がまるっきり「タックスマン」の換骨奪胎だったのを覚えています。タイトルや歌詞は税務所員への皮肉ですが(同年のキンクスのNo.1ヒ…

(16)ギル・エヴァンス(arr,p)

Gil Evance(1912-1988,arrenge,piano)。ジャズ界にはビル・エヴァンス(Evans)というピアノの巨匠もいて紛らわしいが、ギルはピアニスト以前に編曲者として大きな功績を残した人だった。懐の広い人で金や名誉にも執着なく、ギルがプランを立てると優秀なジャ…

通院日記(11 月20日火曜・晴れ)

昨日も通院日記だったじゃないかと言われればその通りで、ただし今日は歯科への通院だ。階段を降りると、向いのアパートのお婆さんが猫マンマの餌皿を出していたところだった。おはようございます、と会釈して通りすぎようとすると、「おはよう?それともこ…

(15)レニー・トリスターノ(p)

Lennie Tristano(1919-1978,piano)。トリスターノがモダン・ジャズの巨人25選に入選した理由は「生涯反商業主義を貫き、トリスターノ・スクール(楽派)というジャンルを打ち立てた」というもので、解説抜きでこれを理解せよというのは無理だろう。 まずこの人…

通院日記(11月19日月曜・晴れ)

予約時刻は朝10時、受付に着いたのが10時半。いま10時50分… と、いつも通りの診察が終った。いろいろやりくりで苦労して「しくじったなあ」と気落ちしましたが、なんとか落ちついて過ごしています。最近寝坊して予約時刻遅刻が多いので気をつけます。日曜晩…

(14)アート・ペッパー(as)

Art Pepper(1925-1982,as)。ウェスト・コースト・ジャズを象徴するジャズマン。リー・コニッツ、ポール・デズモンドと並ぶ三大白人アルト・サックス奏者のひとり。ウェスト・コーストがイメージする自由、陽光、青春、メランコリアをチェット・ベイカー(トラ…

ビーチ・ボーイズその他エッセイ

○コメントと断片より (1)当時のレコード発売は、ビーチ・ボーイズやビートルズ、ストーンズといったところを見ると初春(2月)、初夏(6月)、クリスマス前(11月)が標準的ですね。ビートルズやストーンズは作詞作曲できるメンバーが二人いるけど、ビーチ・ボーイ…

(13)スタン・ゲッツ(ts)

Stan Getz(1927-1992,tenor sax)。白人テナーの天才。その一言に尽きる。16歳で名門ビッグ・バンドに入団したちまち花形テナーとして引っ張りだこになり、1949年には自分のカルテットで独立し、サヴォイ~ルースト~プレスティッジなどのインディーズに決定…

ネタバレ・ヱヴァンゲリオン: Q

11月17日公開の新作「ヱヴァンゲリオン新劇場版:Q」は、公開初日Yahoo映画レヴューで22時現在投稿数210件を数える。平均3.1★★★。ただし公開前から予想(期待)で5つ星レヴューの投稿も20通近く、実際の平均値は3つ星を割ると推定される。 いくつかのレヴュー…

(12c)チャールズ・ミンガス(b)

さてミンガスのアルバムは、作風を確立した1954年から逝去する1979年までの25年間でざっと50枚はある(正規録音のみ)。ミンガスより早熟で長命だったマイルスは正規録音では95枚ほどだから、録音数はほぼ同格になる。 マイルスが前後編なのは順当として、パー…

メンタル日記(11月16日金曜)

まずイタリアの70年代バンド、レ・オルメのCDを引っ張り出す。11枚、これが持っている全部になる(画像1)。これを聴きながら記事を書こう。 それから真ん前の団地の門にぽつん、と置かれたおもちゃを写真に撮ってくる(画像2)。ぼくはこんな風に置き去りにされ…

(12b)チャールズ・ミンガス(b)

多彩で質の高いアルバムを多く制作したことではミンガスはモンクをしのぎ、マイルスに匹敵する。画像4は日本のファンが30年かけて調査・収集した自費出版のミンガス・ディスコグラフィー(アルバム目録)。謎だった初期シングルはようやく最近CD化された。それ…

療養日記(11月15日・晴れ)

これは電気カミソリのヘッドを分解クリーニングして乾燥させているところだ。ドイツ製の3ヘッド、10段階切り換えで、もう20年来使っているが、丈夫なものだ。プレゼントしてくれたのは当時ほぼ同居していた恋人で、20万円近い(!)請求書は結局ぼくが払った。…

(12a)チャールズ・ミンガス(b)

Charles Mingus(1922-1979,bass)。ベーシストとしてももちろんすごい。だがミンガスがジャズの巨匠なのは作編曲・バンドリーダーとしての総合的功績で、モンク同様ビ・バップから出発しながら、それとは異なるサウンドを追及した。それはレニー・トリスター…

通院と音楽、その他のエッセイ

○コメントと断片より (1)通院もそれなりに良い気晴らしになっています。ぼくの場合は病状悪化の早期発見に必要なのです。これまでに間に合って入院2回、間に合わず重態入院が2回ありました。それより、そちらこそ難聴通院ドローしてはまずいではないですか。…

(11)ソニー・ロリンズ(ts)

Sonny Rollins(1930-,tenor sax)。メッセンジャーズのアルバムはたいがいドラム・セットに座り大口を開けたブレイキーがジャケットだが、ソニー・ロリンズのジャケットはほとんどテナー・サックスを構えたロリンズのポートレイトになる。ジャズの代名詞とも…

怖い脅迫スパム・メール

こう一週間も空けずにスパム・メールが来るとさすがに嫌な気分になる。携帯メールで来られると後から拒否設定するしかない。今度は「重要なお知らせ」というタイトルだ。以下全文を引用する。 「お客様のご使用の携帯電話端末より、以前ご観覧されました総合…

(10)デクスター・ゴードン(ts)

Dexter Gordon(1923-1990,tenor sax)。デクスターは浮き沈みの激しい楽歴を送った人で、若くして華々しい活躍をしたが(「デクスター・ライズ・アゲイン」1945・画像1)、不遇な時期が10年あまり続き(「ダディ・プレイズ・ザ・ホーン」1955・画像2)、ヨーロッ…

ハロウィーン、その他のエッセイ

○コメントと断片より (1)今までの記事では昨年11月29日掲載の「『こころ』総論」3編(書庫「小説・文学批評」)がかなりマシです。夏目漱石は同じ双極性障害として理解できるような気がします。「行人」など典型的な強迫性躁鬱小説です。 (2)「秘密」は読んで…

(9)J・J・ジョンソン(tb)

J.J.Johnson(1924-2001,trombone)。この連載の人選は「モダン・ジャズ名盤500」というガイドブックの「モダン・ジャズの巨人25」そのまま、おおむね妥当な人選で、好みを度外視すれば必ず通るべきミュージシャンが揃っている。だが、明らかに担当楽器の稀少…

服薬の意味、その他のエッセイ

○コメントと断片より (1)使い心地よさそうなアイマスクですね。眼精疲労だけでビタミンDの消耗が20倍になるそうです。ぼくも試してみようかな。 (2)今は毎年スーパーにハロウィーンのコーナーができますけど(5年くらい前からかな)10年前はありませんでしたね…

(8)アート・ブレイキー(ds)

Art Blakey(1919-1990,drums)。マックス・ローチと共にビ・バップを代表するドラマーとして数々のアルバムに参加する傍ら、ジャズ・メッセンジャーズのリーダーとなり150枚あまりの作品を残す。代表作は、 ○カフェ・ボヘミアのジャズ・メッセンジャーズ(1955…

通院日記(11月12日月曜・曇り)

昼間にテレビで映画を見るのはいいが、晩の放映を見ると寝つきが悪くなる。昨晩は「三銃士・王妃の首飾りとダ・ヴィンチの飛行船」というのを退屈しのぎに見たのだが、退屈しながら見ても脳の刺激にはなるようだ。 今日の受診は精神科と内科。精神科予約時刻…

11月第2週に見た映画

といっても相変わらずテレビ放映ばかりだが、この他にもYouTubeでPublic Domainの古い日本映画を見ている。はっきり言って2000年代の欧米、日本映画とは同列に語れないほど映像が若々しい。現代の映画の方がそれほど歳をとっている、ということだ(でも期待し…

(7)クリフォード・ブラウン(tp)

Clifford Brown(1930-1956,trumpet)。ビ・バップ~ハード・バップ最高で、26歳夭逝ながらも今なおこの人を超えるトランペッターはいない、と言われるが、この人の前にディジーがいるし、天才ファッツ・ナヴァロ(1923-1950)がいる。パーカーと互角に渡り合っ…

3通目のスパム・メール

放っておいたら、3通目のメールが来た。タイトルは「SNS招待のご確認」。 「この前のメールはご確認いただけたでしょうか? 本人が「まだかな…」と心配しておりまして、私も人の事は言えませんが、このような奇跡的な出来事に浮足立っており、催促のようなご…

(6)マックス・ローチ(ds)

Max Roach(1924-2007,drums)。ジャズでもやはりリズム・セクションのミュージシャンはリーダーかソロイストでもないかぎりアルバムでは目立たない(ピアニストはまだしも)が、ライヴではベースとドラムスほどかっこいいパートはない。マックス・ローチはバド…

2通目のスパム・メール

女性芸能人マネージャーを装ったスパム・メールの話の続き。ついつい好奇心を抑えきれず、いじってしまった。「心当たりありませんが、どのようなご用件でしょうか?」 それに対して先方からの返信。タイトルは「お返事ありがとうございました」。本文は- …

(5b)マイルス・デイヴィス(tp)

前回の続き。マイルスはチャーリー・パーカーのバンドから独立後、10人弱の編成でビ・バップをソフトに奏でる、というアイディアを実践し、客入りの悪い臨時編成バンドだったが批評家の絶賛からこのスタイルはクール・ジャズと呼ばれ、アルバム「クールの誕…