人生は野菜スープ~usamimi hawkrose diary

元雑誌フリーライター。勝手気儘に音楽、映画、現代詩、自炊などについて書いています。

2013-05-01から1ヶ月間の記事一覧

劇的な症状改善!

実はこれは「通院日記5月14日(火)晴れ」として昨日書くつもりだった。そしたらクワバラくん(インポ)から電話がかかってきて、せっかくだからそれも前振りにと書いていたらクワちゃんとの会話だけで終ってしまったのだ。 ちなみに内視鏡検診で漏らしたのは実…

(補4c)ビル・エヴァンス(p)

Bill Evans(1929-1980,piano)。 リーダー作第3弾にしてついに、エヴァンスは理想的なメンバーとともに画期的なアルバムを制作する。 Portrait In Jazz(画像1)59.12.28 -がそれで、ジャケットの知的な風貌、2曲のオリジナルと7曲のスタンダードの決定的な選…

起たない話

今日は伊勢原のクワバラくん(初入院した時友人になり、今でも時々会う)から電話がかかってきた。 「佐伯さんどうしてます?おれはヒマでヒマで」 「作業所は行ってるの?」 「週一くらいかな」 彼は去年の秋に障害者手帳の更新があり、突然等級が一等に上が…

(補4b)ビル・エヴァンス(p)

Bill Evans(1929-1980,piano)。 エヴァンスのマイルス・セクステット在籍は58年2月~11月で、キャノンボール(アルトサックス)とチェンバース(ベース)、フィリー・ジョー(ドラムス)とは親友になったが重圧は相当なものだった。エヴァンス自身が「あのバンドは…

診断書3+通院日記5月13日(月)

〈診断書3〉ご理解いただきありがとうございます。以前にお話した診断書の内容は今回の記事で公開した通り、精神疾患への診断と患者の人格への所見が混同されたものでした。今後の通院への意欲を失い、病状の改善や社会復帰の希望を失わせ、一時的に自殺まで…

(補4a)ビル・エヴァンス(p)

Bill Evans(1929-1980,piano)。 セロニアス・モンクが名声の頂点にあった64年のアルバム「モンク」のライナーノーツはビル・エヴァンスが執筆し、同年エヴァンス自身がアルバム「自己との対話」'Conversations With Myself'でグラミー賞を受賞して新しい巨匠…

診断書2

実は二年前の更新時にも提出の際に診断書を読み、その時と今回がまったく同内容でした。前回はひどい症状の直後だったのでやむなし、と思いましたが、今回もまったく同じ書面なのにはショックというより失意を感じました。 デイケアでのトラブルの時に、転院…

(補3l)セロニアス・モンク(p)

Thelonious Monk(1917-1982,piano)。 前回の続き。『荒城の月』は伝承的メロディと原曲に違いがあり、楽譜は西洋音階に忠実だが伝承では西洋音階から外れる。スコーピオンズのライヴではクラウスは楽譜通りに歌い、観客の合唱は半音ずれる。モンクのカヴァー…

診断書

お気遣いありがとうございます。障害者手帳更新のための診断書にまとめの欄が二か所あります。こういうものでした(全文)。 その一、過去。「躁状態を呈し、浪費、窃盗、無賃乗車、ストーカー行為を働いたことがある。それ以外では、無気力でアルコールを摂取…

(補3k)セロニアス・モンク(p)

Thelonious Monk(1917-1982,piano)。 すでに指摘したがコロンビア移籍後のモンクはアルバム制作のパターン化が目立つ。だいたい2作ごとを単位にしているようで、珍しいオリジナル曲中心のスタジオ録音「イッツ・モンクス・タイム」の次は、珍しいスタンダー…

今週のリコメント集

(1)三島由紀夫についての旧記事(2011年9月27日・28日)にコメントありがとうございます。的確なご指摘もいただき、ありがとうございました。 三島の晩年は支持者からも「至高への探求」(澁澤龍彦)と笑止な賞揚をされましたが、民主化によって責任を回避した戦…

(補3j)セロニアス・モンク(p)

Thelonious Monk(1917-1982,piano)。 前回掲載の「クリス・クロス」は全8曲で全曲再演(CDではカット部分を復元し別テイク4曲追加)、「モンクス・ドリーム」では新曲は'Bright Mississippi'のみだが、弱小インディーズで注文か通販でなければ買えないレコード…

黒田三郎『記録』

前回ご紹介した『歴史』はいわゆるロッキード事件と呼ばれる政界汚職事件と田中角栄内閣総理大臣の失脚を前振りにした作品で、それ自体はテーマではなく時事的な話題を導入部にしたにすぎないが、40代後半より若い世代には田中角栄の名前の持つインパクトは…

(補3i)セロニアス・モンク(p)

Thelonious Monk(1917-1982,piano)。 前回触れた事件以来モンクは仕事も日常でも夫人の付き添いなしでは外出しなくなった。モンクの社交性には両極端の証言があり、人見知りはますます激しくなりつつあった。大手コロンビアへの移籍も決り、仕事の交渉はマイ…

三通の寂しい手紙

(画像1・伯母からの絵手紙-年賀への返信として送られてきたもの) 「療養中とのこと どうぞおだやかな日々でありますよう。 貴方のお父様 昨年 ご他界されました。 連絡まだですか。 二千十三年元旦 佐伯和子」 (画像2・伯母への返信) 「なかなか踏ん切りが…

(補3h)セロニアス・モンク(p)

Thelonious Monk(1917-1982,piano)。 「カーネギー・ホール」のライヴは黒人団体主催の音楽祭への出演だったが、ついにモンクもジャズ・クラブだけではなく、コンサート・ホール規模の集客が可能なアーティストになる。ホール・オーヴァートンが編曲した10人…

黒田三郎『歴史』

前回の『数える』は日常的なディテールに徹することで優れた詩になっていた。やや暗喩的なのは「駅」だけだが、村上春樹の新作中の「駅」と較べてほしい。 今回からは、黒田の遺作詩集(逝去の前年刊行)「死後の世界」1979からご紹介する。「ふるさと」1974か…

(補3g)セロニアス・モンク(p)

Thelonious Monk(1917-1982,piano)。 コルトレーンは57年末でマイルスの下に戻り、58年のファイヴ・スポット出演ではベースはウィルバー・ウェアからアーマッド・アブダル・マリクに、ドラムスはシャドウ・ウィルソンからロイ・ヘインズに代わった。言っては…

吹替え短縮版映画について

「ドキドキ!プリキュア」を見ていたらこんな場面があった。今回の敵は人間の邪心を物に憑依させて怪物化させるのだが、まず携帯CDプレイヤーが襲ってくる(電池切れで自滅)。次の現場に直行すると、 キュアダイヤモンド「今度はラジカセか」 キュアハート「…

(補3f)セロニアス・モンク(p)

Thelonious Monk(1917-1982,piano)。 6年におよぶクラブ出演許可証没収がようやく明けたモンクは57年の夏から年末かけてクラブ「ファイヴ・スポット」に長期出演し、ジャズ雑誌の年間最優秀ミュージシャン賞に選ばれる。バドやトリスターノが10年も前に表彰…

黒田三郎『数える』

詩集「ふるさと」1974よりもう一編ご紹介したい。黒田は80年に逝去するから逆算すれば晩年の始まりなのだが、前詩集「羊の歩み」から詩人が円熟期に入ったことを感じさせる点で、この作品は代表作のひとつといえるだろう。短歌や俳句くらい凝縮された詩型の…

(補3e)セロニアス・モンク(p)

Thelonious Monk(1917-1982,piano)。 モダン・ジャズでは珍しくモンクのソロ・ピアノは特別な人気があり、サイドマンとの不調和を気にせずモンクの持ち味を堪能できるものと珍重されている。確かにソロ演奏は優れたピアニストならではの特権で、他の楽器では…

寝たばこの思い出

寝たばこで死にかけたことのある人はあまりいないと思うが(死ぬ人はいる)、経験者として言うとあれはやろうと思ってするものではない。気がつくと布団が燃えているのだ。もちろん布団は自然発火するようにはできていないから、煙草という火種がちゃんとある…

(補3d)セロニアス・モンク(p)

Thelonious Monk(1917-1982,piano)。 次にモンクが移籍したリヴァーサイドはプレスティッジとは比較にならず、ブルーノートに迫るほどアーティストを大事にした会社だった。社長ひとりできりもりしているマイナー・レーベルだったがこの人は元々アマチュアの…

黒田三郎『風を喰う』

『夕方の三十分』をはじめに黒田三郎(1919-1980)の詩作品をご紹介してきて、「愚痴っぽい」とネガティヴな感想を持たれたかたもいるかもしれない。前回に五十歳の前後で突然作風の安定があると指摘したが、詩人は私生活でも五十歳を期に勤め先を早期退職して…

(補3c)セロニアス・モンク(p)

Thelonious Monk(1917-1982,piano)。 モンクはアメリカで一般的な人気を獲得する前にフランスの音楽祭に招聘された。その時現地のレーベルに録音されたのが、 Solo On Vogue(画像1)54.6.7 -で、生涯に5枚あるモンクのソロ・ピアノ作品の最初になる。全9曲で…

通院日記・5月2日(木)雨のち晴れ

半日で歯科と内科、市役所にまわりスーパーで買い物までして帰ると、これ以上今日は無理だな、という気持になる。健康な人にはできることが精神障害者はできないのはちょっとしたことが多大なストレスになるからで、簡単な日常茶飯事までストレスに満ちてい…

(補3b)セロニアス・モンク(p)

Thelonious Monk(1917-1982,piano)。 ジャズマンからはモンクのデビューは注目され、次々とオリジナル曲は取り上げられたが、レコードの売り上げは悪かった。後輩のバド・パウエルやレニー・トリスターノが出世していく一方で、ブルーノートの契約も失い、モ…

黒田三郎『誕生日』『五十歳』

『夕方の三十分』を取り上げたのを機に、12冊ある黒田三郎(1919-1980)の詩集を久しぶりに通読したが(思潮社「現代詩文庫」の「黒田三郎詩集」1968・「新選黒田三郎詩集」1979の二冊で大半は読める)、黒田作品は1970年頃を節目に作風の振り幅が小さくなる。そ…

(補3a)セロニアス・モンク(p)

Thelonious Monk(1917-1982,piano)。 セロニアス・モンクは10代でケニー・クラーク(ドラムス)と共にニューヨークの若手ジャズマンの顔役になり、モンクとクラークが仕切ったジャム・セッションからビ・バップが生まれる(発掘ライヴ・アルバム「ミントン・プ…